神楽坂 白子は巻き込まれました。

笑門一二三

第1の話 プロローグ

この物語の始まりは異世界でも何でもない、

はずだ。

私はただの普通のごく一般的な女子高生だし、そう思いたい。

だがしかし、この状況は鏡を見ればわかる。

今日から普通じゃない、と。

黒と赤の綺麗な山羊のような角が2本頭から生えている。あまりに急なことに驚きは何処かへ置いてきてしまったようだ。

「どうするか、この角。」

今一番の問題はこの角をいかに隠して学校へ登校するか、もう出発の時間まで10分きっている。

「うぅー...引っ込めー...引っ込めー...」

念じてみるが、引っ込むはずが...お?引っ込んだ。念じてみるものだな。

ささっと準備をしてすぐに家を出た。

私が通っている学校もこの辺では名高い学校ではあるが、ひとつだけ変わっていることがある。それは、期末試験で点さえ取れればそれ以外の学校生活は評価に入らないという事。授業をサボっても何も言われない。まあ、試験がとてつもなく難しいためサボる者はほとんどいない。

もう、この時点で普通の女子高生ではないが。

それに追い打ちをかけるように角が生えてきたのだ、ローテンションになるしかない。

「おはよー!白ちゃん元気ないね?どうしたのん?」

「うん、おはよ詩織。実はさ、いやなんでも」

この可愛いを具現化したみたいな小柄女子は日向詩織、幼なじみポジションの子だ。

「そーいわれると気になるのが人間の性だよ!深くは聞かないけどなんかあったら言ってね?」

「ありがと。あ、こんな時間だ急がなきゃ...ほら、行くよ詩織」

これから先、絶対に巻き込まれるフラグを立てたこの角に恨みを持ちながら学校に急いだ。

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