月に寄せて

きみはまた森と谷とを

かすみのような光で満たす。

ついにはわたしの魂までもを

すっかり解き放ってくれる。


わたしのいる広野ひろの

きみはなぐさめのまなざしを広げおとす。

友がわたしのゆくすえを

やさしい瞳で見守るように。


わたしのこころは、あまくにがい思い出の

余韻に浸りつつ、

よろこびとくるしみとに挟まれて

ひとりっきりでさまよい歩く。


流れ流れよ、いとしい川。

もうわたしがよろこぶことはない。

戯れもくちづけも

ひたむきな想いも流れ去ってしまった。


それでもわたしはかつて

稀有なものをもっていた。

どんなに悩みくるしんでも

けっして忘れることのないような。


ざわめけ、川よ、谷に沿って

休むことも憩うことさえなく。

ざわめけ。わたしの歌にあわせて

メロディーをささやいてくれ、


冬の夜に

怒ってごうごうと流れるときに。

春の日のよろこびに

おさないつぼみをほころばすときに。


祝福されてあれ。

憎しみを忘れ、世から離れ

胸にひとり友を抱いて

ふたりたのしむものよ。


誰にも知られず

誰の心もさわがせず

こころの迷路をたどって

夜にさまよい歩くものよ。


=====


Füllest wieder Busch und Tal

Still mit Nebelglanz,

Lösest endlich auch einmal

Meine Seele ganz;


Breitest über mein Gefild

Lindernd deinen Blick,

Wie des Freundes Auge mild

Über mein Geschick.


Jeden Nachklang fühlt mein Herz

Froh- und trüber Zeit,

Wandle zeischen Freud' und Schmerz

In der Einsamkeit.


Fließe, fließe, liber Fluß!

Nimmer werd' ich froh,

So verrauchte Scherz und Kuß,

Und die Treue so.


Ich besaß es doch einmal,

Was so köntlish ist!

Daß man doch zu seiner Qual

Nimmer es vergißt!


Rausche, Fluß, das Tal entlang,

Ohne Rast und Ruh,

Rausche, flüstre meinem Sang

Melodien zu,


Wenn du in der Winternacht

Wütend überschwillst,

Oder um die Frühlingspracht

Junger Knospen quillst.


Selig, wer sich vor der Welt

Ohne Haß verschließt,

Einen Freund am Busen hält

Und mit dem genießt,


Was, von Menschen nicht gewußt

Oder nicht bedacht,

Durch das Labyrinth der Brust

Wandelt in der Nacht.

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