第3話

こちらも、同じ予備校の生徒のお話です。 

市内の旧家の若者であったK君は、中々の要領良しな生徒で、自分なりの段取りで

所謂、旧大検を経てちゃちゃっと都内の有名私立大学へ進学を果たしました。あれよ

あれよという間で、手の掛からぬ方でした。

彼から聞いた不思議なお話です。


彼の祖母とその姉妹のお二人が、彼女らの母親の臨終の床に付き添っていた時の

ことでした。

息を引き取ったその時…。静かにベッドに横たわる母親の体から、ふわりと

浮き出て行く何かを、この二人の娘たちが同時に目にしたそうです。

それは紛うこと無き母親で、ス~と抜け出ると、そのまま病院の窓から出て行ったと

いいます。

良く聞く話ですが、複数が同時に目撃するというケースは珍しいのではと

思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る