第2話 泣く女

知り合いのW君は妙な霊感がある。


妙な霊感・・・・。


なんというのかただの霊感ではない。


だからと言って凄い霊感でもない。


例えば光満ち溢れた朝に爽やかな彼の笑顔を写真に収めると


彼の周囲はオーブだらけになる。


「オーブ48か。モテるなあ~」


俺がそう冷やかすと、嫌~な顔する。



そんなW君がテレビゲームしていた時の話し。


俺はテレビゲームがよくわからない。

インベーダーゲームと平安京エイリアンで挫折したきり手を出していない。


ま、なんしか彼が心霊写真を撮るというロールプレイングゲームをしていた時のことだ。


いつものように廃墟をうろついて幽霊を発見しシャッターを押す。


「幽霊げっとおおお!」


ゲームをしない俺には何が面白いのかさっぱりわからない。


すると画面が急にフリーズした。


「え?」


しかも画面がフリーズしているにもかかわらず音声は出続けている。


「ええ?」


今撮ったばかりの女の幽霊が泣いているのだった。


「ううう・・・うううう・・・・ううううう」」


「えええ?」


「ううう・・・うううううう・・・・」


「えええええ!!!」


「うううううううううううううううううう」


「&%$#!」


W君は咄嗟にパソコンの電源を落としたが

だが電源はなぜか落ちない。


「ううう・・・うううう・・・・ううううう」


W君は半狂乱になってコードというコードをすべて引き抜いた。


それでやっと画面が落ちて音も消えた。


「なんじゃこらあ!」


彼はそれ以来そのゲームをやっていない。


彼は今最新のゾンビゲームにのめり込んでいる。


(W君、そのソフトは捨てた方がいいと思います)



ただこの話はこれで終わらなかった。

第3章につづく



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