第3話 長い髪の女
第2話でW君には妙な霊感があると言いました。
今回はそのW君の弟の体験談。
弟君をD君とする。
ある日、D君が原チャリを運転していたら
白バイ警官がやってきてD君を止めた。
「な、な、なんすか!スピードだしてませんよ」
「いや、そうじゃなくて。今二人乗りしていたでしょ?髪の長い女の子後ろに乗っけて」
「は?」
「君の原チャリは二人乗り禁止。しかも彼女はノーヘル。だめだよ」
「どこにそんな女いるんですか!」
「角を曲がってすぐ、コッソリおろしたんだろ?」
「だってずっと後を追いかけてきたんでしょ?途中停まってなんかいたら角曲がってここまで来られませんよ!」
「え?」
そうD君が言うとその白バイ警官は真っ青になった。
確かに距離と時間が合わなくなる。
「え!!あ、ああ・・・そ、そうか。確かにそうか・・・・だよね」
白バイ警官はまたやっちまったという顔をした。
「・・・・・」
「ご、ごめんね!なんでもないから。本当にごめんなさい。
それじゃ、お気を付けて」(敬礼)
そう言って警官はそそくさと去っていった。
「・・・・・・」
取り締まり任務を遂行するほど、白バイ警官には確実に何かが見えていたのだ。
何が見えていたというのだろうか・・・・。
「そう言えば昨日、兄貴がテレビゲームでなんか恐い目にあったんだよな・・・」
弟D君は兄のW君の恐怖体験を思い出した。
「はは。まさかね」
その時はそれ以上、気に留めなかったそうだ。
だが、その後D君は謎の交通事故を起こし、瀕死の重傷をおう。
やはり彼は何かヤバイものを後ろに乗せて走っていたのだろうか。
だとしたら、それはどこからやって来たのだろうか・・・・。
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