死んだら強くなりすぎて色々困ってます。

禍塚 斬

第1話俺、死んだのか…

「おーいカルマー!」

同期の1人に呼ばれた俺は、皆のいる方へ駆けていった。

「なんだ?」

「お前、今日で軍抜けるんだろ?今夜飲み行くぞ!」

そう、渋谷 業ことこの俺は、今日で軍を抜ける。もう厳しい訓練もしなくていいし、色々不便な生活ともおさらばだ。それにしても、みんなが飲みに誘ってくるとは珍しいな。まぁせいぜい奢って貰えることを祈るとしよう。

「おう、店は決まってんのか?」

「ったりめーよ!」

みんな乗り気で俺も飲みには行きやすい雰囲気で良かったぜ。

「分かった、じゃあ後で駅集合でいいな?」

「おう!遅刻すんじゃねーぞ?」

「お前がな。」

まぁジョークだろうがつっこんでおこう。てか地味に楽しみだ。


その日の夜、飲み会も終わり帰っていると、母親とはぐれたのか迷子の女の子を見つけ、声をかけようとしたその時、女の子に向かってトラックが走って来ている。トラックの運転手女の子にきずいてねーじゃねぇか!

「危ない!」

ガンッ!女の子を抱えた俺は、トラックにはねられ地面を転がった。女の子の無事を確認すると、意識が朦朧とし、目の前が真っ暗になった。あぁ、俺はしんだのか…そう思っていると、

俺は俺の前に立っていた、誰も俺に気づかない。

「本当に死んだのか、おれ。」

不意に口にしたこの言葉も、誰にも届かない。俺は死んだ俺に触れようとするが触れられない。悲しいような、寂しいような、不思議な気持ち。ただ涙がこみ上げてくる。今にも泣いてしまいそうだ。そんな時、声が聞こえた。ただ聞こえたわけではない。頭の中に直接だ。

「そこのあなた、上を見てご覧なさい。」

誰だ?俺の頭に話しかけてるのは。そんなことを考えつつ上を見ると、

「何もねぇじゃねーか。」

そう、何も無かった。何だったんだ?と思っていると、俺の体は宙に浮いていた。

「うぉ!?」

突然の事で変な声が出てしまった。しばらくして、変な空間に俺はいた。そこは真っ暗で俺にだけスポットライトのように光がさしている。

「あなたは死んでなお、生きたいと願いますか?願うのであれば、あなたに神の祝福を与えましょう。」

何を言ってるんだこいつ。てか誰だよ。と思いつつも

「願おう。俺にはその道しかないだろうからな。」

と答えた。何があんだよ。てか誰だよお前。

「では、あなたの幸運を祈ります。」

いやなになに?何がおこんの?え?てかお前誰だよ!?とか思ってたら俺の体は光はじめた。まじで何が起きるんだ?これ。


目が覚めるとそこは神殿らしき場所だった。

「っつぁ…」

何だか頭を打ったような気がした…が気のせいだった。どこだここ?あぁ、俗に言う異世界転生って奴か。さて、これこらどうすっかな…

「そこの君!」

「へ?」

誰だこいつ?と思っていたら、なんか言ってきた。

「私のパーティに入りなさい!」

「え?嫌ですけど。」

「え?えぇぇぇ!?」

誰かは知らないが、俺はNOと言える日本人だからな!

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死んだら強くなりすぎて色々困ってます。 禍塚 斬 @Magatuka

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