虹の光の中で

 リエルは目覚めた。虹の光の中で。


「ここは……」


 見上げると神が大きくうなずき、遠き地平をみはるかす。そしてその先には、死にかけた純。声にならない悲鳴のリエル。何も持たずに駆けつけようとする。彼女を引きとめ、女神が奇跡の翼を渡した。


「これであなたも神様見習い。がんばって」


 リエル、笑顔を取り戻す。二対の翼の力で飛んでいく。


「純。あなたの勇気と大きな一歩が私を目覚めさせてくれました。私は、あなただけの女神になります!」


「なに……言ってるんだよ? ボクがなにかしたのか?」


 リエルはもじもじっとして、頬を染める。


「あなたの五体投地、すてきでした」


「は? なにそれ」


「はあう! なんでもありません……」


 段々と語尾が小さくなっていく。相変わらずのリエルだった。

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