天使のリエルと純の冒険

「いえーい」


 天界からのぞく深部で、異貌へと変じた天使たちを、いばらの鞭で打ち叩く。おしおきをされた異貌の者はキラキラした天使の姿に戻るのだ。


「どうですか? 勇者になった気分は」


「勇者だもん」


「純が勇者なのは天界でだけなんですよう」


「むうー。なにか、おもしろくない」


 しだいに機嫌がわるくなる純。第一飛んでいるリエルに捕まって、リエルが鞭打つのを見ているだけなのだ。つまらない。


「次はボクにもやらせてよ」


「え、でも」


 次がラスボスだった気がする。早すぎる。ラスボスは――。


 純、ビビるどころかゲーム感覚で盛り上がっている。


「い、いけない! 彼は!」


 リエルは隠れて純をサポート。激しいやりあい。ラスボスは黒衣の翼をもつ天使だった。かなわない。


 そこへ余裕の声。


「あかんあかん、れんけいせな!」


「おーう、チューガクセー? めずらしー」


 他にも他天使に連れてこられたプレイヤーがぞろぞろいた。


「よう、ちこっとパーティー組まねえ?」


 純に友達ができた。しかし黒い天使の前に、パーティーはあえなく全滅。


「純!」

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