第2話 窓の外からコンコン
あの女性を視た日から少し経った頃でしょうか。
私はまた不思議な体験に遭いました。
家族と賑やかに過ごした夜も過ぎ。
ひとりで眠るようになったばかりの自分の部屋のベッドに横になり、目を瞑って眠りに落ちたあと。
それは見計らったかのように現れました。
コンコン。コンコン。
外から音がします。直感的に何故かその時、窓の外からだと思いました。
コンコン。コンコン。
また音がしました。私は恐る恐るベッドから降りて、そっとカーテンを開けました。
「……っひ」
そこに居たのは、恐ろしい顔をしたおじいさん。
そのおじいさんは目を充血させながら、私と目が合うと、張り付いた窓をバンバンと揺らします。
まるで『入れろ』とばかりのその行動に、私は咄嗟に言葉を放っていました。
「ここはお前の家じゃない! ここはお前の家じゃない! 出てけ!」
その言葉は何かあったらそう言えと、あの女性に会った後に祖母に言われていた言葉でした。
おじいさんは目をぎょろぎょろとさせたあとに、スゥっと消えました。
それと同時に、私は目を覚ましました。
なんだ、夢か。
ホッと息を吐いて、でもその日はなかなか寝付けなかったのを良く覚えています。
次の日の夜。私は父親にこんな夢を見たよ、と笑い話半分、怖い思いを共有したいという子供心半分で話せば、父親は突然神妙な顔をしました。
「それは……俺のじいさんじゃないか?」
「え、」
「お前が言った顔の特徴、ぜんぶじいさんに当てはまるんだよなぁ」
曾孫見たさに出てきたか。
なんて言葉を吐かれましたが、私は内心恐怖でいっぱいでした。
知らない、会ったことも無い曾祖父が何故会いに来たのか。
そもそもアレは本当に曾祖父だったのか。
今も真実は分かりませんが、これが二度目の不思議な体験でした。
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