第12話 再会1

 凜に任せて下忍を20人選別して港を出てから1か月になる。港を転々と商いをして隠岐についた。島の中心部から離れた寒村で南蛮船を停めて詰めかけてきた海賊船に荷を引き渡した。それから海賊船に乗り換えてリーと船長だけを連れて海賊の屋敷に向かう。

「船長には世話になって居る」

と白髭の老人が南蛮のテーブルに座っている。隣に若い男が船長に頭を下げている。

「村上一族も廃れたものよ。和寇に追い回される海賊だ。あなたが魔王ですな?」

「そういわれた時期もありました」

「だが今は和寇も恐れる海将だ」

 料理と酒が出てくる。

「ところで山陰の噂を詳しく聞きたいのです」

「服部の噂は私が聞きました。それと服部が宗久が生きていると調べているそうです」

と若い男が言う。

「今は息子が本土に渡っている」

「服部が敗れた後どうなったのですか?」

「今は柳生が潜り込んでいます。藩の師範代として入っているのです」

「修験者は何人くらいいます?」

 リーが口をはさむ。

「百人はいるかと」

「案内できる人をつけてもらえませんか?」

「私が行きます。あの凄い船に乗れるのですね」




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