第11話 新天地11

「ご苦労」

 髭の伸び放題の第1船長の南蛮船が戻ってきた。そのまま茉緒の部屋に入ってくる。

「いや、鎖国はいよいよ、厳しくなっています。長崎だけでなく隠岐にも警備が厳しくなっています。日本にこれから行くのは危険ですよ」

「徳川らしいな。隠居した家康は?」

「いえ、彼がすべてを動かしています。これは隠岐の海賊の話ですが、山陰で服部の忍者が50人ほど切られたと」

「鉱山の近くか?」

 リーが入ってきて葡萄酒を入れる。

「宗久が生きているという噂が広まっているのです」

「あれから1年が経つ」

 宗久を迎えに行って焼焦げた屋敷を見た。服部の襲撃を受けた。

「50人も服部をやれるのは柳生くらいのものよ」

 リーが断言する。

「それが修験者が襲ってきたという話です」

「修験者?」

「空を飛ぶような化け物が出たということです」

「それは果心居士だよ」

 リーは果心居士のもとにいた。

「間違いない」

 なら宗久が生きているのもあり得る。

「次の便で乗せていってくれるか?」

「私も行く!」






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