第6話 新天地6

 リーが探索部隊を編成して5人の下忍をチャクラパット総司令官に張り付いた。一方凜はヒデと組んで和寇の散らばっている港を探している。昨日も王宮の荷物を積んだ廻船が和寇に襲われている。すべて総司令官から情報が漏れているので手の打ちようがない。

 サンペット王子とはもう5回剣の指導をしている。もう酒場の中ではなく宮殿の中の広場だ。これはりーからの要請で彼女が王子の使い走りという形だ。彼はりーの言うように女癖は悪い。だが頭は切れる。剣も腕を上げる要素がある。

「司令官の自宅は王宮の中にあるのかしら?」

「本宅は日本人村のさらに奥の半島だよ」

 王子が汗を拭きながら答える。隣でリーが地図を広げる。

「どのあたりよ?」

「この半島すべてだ」

「まさか」

「王宮創立時代の英雄の父の3代目だ。わが王も頭が上がらない。私は好きじゃないが」

「この屋敷に兵は?」

「ここには民兵がいる。5百はいるかな。港もある」

 そういうと王子は茉緒に体を寄せてくる。だが瞬間に体をかわされてしまう。

「りー一度潜り込んでみるか?」

「やめておけ、殺されるぞ」

「下調べをしておくわ」

 元々どこにでも忍び込むのが仕事だ。

「和寇の港はどこまで調べれた?」

「3か所、合わせて3百ほど」

「まだ本丸があるな」






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