働くマッスルマン



私はマッスルマン。

普段は何処にでもいるサラリーマンをしている。まさか誰も気付くまい。


まさかこのサラリーマン正木勝マサキスグルの正体が正義のヒーローマッスルマン(実績なし)なんて誰が気付くだろう。


因みに、私の趣味は服を筋肉で破くことだが、薄給なので月一枚と決めている。


「おい!そこの正木勝マッソォー!!昨日の案件どうした!?遅いぞ!!」


「あっ、す、すいません。もうすぐ完成です」


「てめえのもうすぐは三が日か!?いつまでかかってんだこのクソマッソォー!!」


薄給とはいえ、私は昇進するわけにはいかない。現状の筋トレ時間とプロテインの代金、そして筋肉を育てる充分な睡眠時間の確保には、どれほど望まれても現状を変えるわけにはいかないのだ。


「これも、正義の為だ」

「あん!?マッソォー!!ボソボソ言ってねーでさっさと仕事終わらせろ!!」

「あっ、はい!!すんません!!」


「ふむ、やはり手痛いな」


不景気故に高騰したジムの代金が苦しく、最近は装備の一式を家に揃えて月額のジムを退会した。


プロテインの代金もバカにならない。


「安いもので作る筋肉はやはり安い」


持論である。


厳選された素材のプロテインで出来た筋肉は色といい艶といいなんかいいのだ。


もちろん睡眠時間、睡眠の空間も大切だ。

良質な睡眠の為には適切な室内環境は譲れない要素であり、加えて安眠効果のあるアロマも忘れてはならない。


私はマッスルマン。正木勝マッソォーでは無い。


今日も世界の危機に向け、備えを続ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る