第二十五話『こうなったツンデレは止まらない』
「で!理奈さんとお兄ちゃんがきちんと付き合っているということをお兄ちゃんがようやく認めたってことね。うんうん。いいことじゃない。」
「うん、そうなの!ってバカ野郎!」
「にへへっ。晴馬!晴馬!晴馬ぁ!」
「でぇい、引っ付くんじゃない。」
帰宅後…。今日あった事を(全部ではないが)優実に説明した。
ちなみに、これは後から優実に聞いた話だが、実は理奈の方から優実に相談事をしていたらしい。
僕が鈍感なせいでいろいろなアプローチをしても全部スルーされていったって…。
そう言われてもなぁ、僕だって自分が鈍感なんて思わなかったよ。
「ああ、どうやらここ最近、理奈が元気なかったのは僕が原因だったこと知っていたか?」
「お兄ちゃん、理奈さんと何かあった?」
「別に?」
「……ああ、そういうことね。」
あーこいつもそういう反応するよな。
今までずっと理奈の気持ちに気付いていなかったからそういう反応をしてもおかしくはない。
だが、優実は僕の心が読める。
なんであれ、あらかた理由はハッキリしているのだろう。
「それにしてもよかったね。お兄ちゃん。」
「ん?どういうことだ?」
「てっきり、昔みたいに一人称を変えるのかと思った。」
「は?どういうことだよ。」
「別にぃ~。そうなったらそうなったで、あの人との約束を破ることになるだけだから別にいいけど。」
あの人?誰だ?そんな人いたか?誰だ?高野さんか?遥か?
「ほら、お兄ちゃんの昔の同級生にいたって言っていたでしょ。小学校までは俺って言っていたけど、お兄ちゃんの俺って口調が『人を頼ることを知らない口調だ』って…それでショックになったお兄ちゃんは僕って一人称に変えたこと…覚えてないの?」
覚えていない。
というかお前は覚えていたことに兄ちゃん驚きだよ。
しかし、人を頼ることを知らない口調?僕と同級生?
そんな人、まず僕に関わりなんて持っていないはず…。
『ピンポーン』
僕がそんな人物この世に存在していたかな?と考えていた時にチャイムがなった。
「はーい、今出ます。」
「晴馬…出ちゃうの?」
「玄関に行くだけだよ。言い方を考えろ。言い方を。」
でぇい、もう知らん。
まったく、誰だよ。
こんな時に来るなんて。
ガチャと僕が開いた。
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