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夕食後。
「…すまない、少しいいか?」
スキルを使って綺麗にした食器類を片付けてる彼女に男が話しかける。
「…なに?」
彼女は片付けを続けて男に背を向けたまま聞き返した。
「…早速明日から出張が入ってしまって…」
「へー、じゃあ明日から暫く居ないんだ」
言いづらそうに話す男に彼女はどうでも良さげに言う。
「…ああ、いつ戻って来るかは分からない…だから長期になるか短期になるかは未定なんだ」
「ふーん…で?朝食は食べますっていう報告?」
男の報告のような言葉に彼女は相変わらず興味を欠片も示さず適当な感じで聞く。
「いや…あのHP回復のジュースを少し貰いたいんだが…」
「…良いんじゃない?一応アイツにも聞いてみたら?」
若干言い淀むような男のお願いに彼女はアッサリ許可を出し、青年にも確認を取るように促す。
「…分かった、聞いてみる」
男は頷くと夜のランニングに行ってるだろう青年に話すために外に出る。
「……何かあったのか…?」
夜のランニングから戻って来た青年は家の前で待っていた男を見て近づきながら問う。
「…お前に用があってな」
「?俺に…?」
男の返答を聞いて青年は不思議そうに首を傾げた。
「ああ、彼女が作っている果物ジュースがあるだろう?ソレを貰いたくてな」
「…?それなら俺じゃなくて彼女に聞くべきでは無いか?」
男が用件を話すと青年は理解出来ないといった表情で聞き返す。
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