第5話

俺はアイツには届かないけど、そこそこ有名な中学に通っている。頭はこの学校なら学年1位は取れてる。でも、アイツの通ってる学校はここよりは軽く偏差値5以上高い。そんな学校で、毎回学年1位なんてバケモノじゃん。アイツ元気にしてるかな?絶対学校に馴染んでない。友達すらいないと思う。いじめられてないかな?アイツのことだから、自分がいじめられてることすら分かんないだろうな。いじめられてたら。毎日淡々とこなしてそう。色んなことを。もし、アイツがいじめられてて、アイツがいじめられてることに気づかなかったら、いじめられてる奴、気の毒だな。全然精神的ダメージ受けてないから。いじめられてる奴がただハラハラしてるだけかも。心臓持つといいね。いじめっ子。こっちの学校はもう夏休み。アイツの学校どうだろ。天才学校だから、俺とはだいぶ違うんだろうな。授業とか設備とか、クラスメイトとか、学校の雰囲気とか。1日でもいいから、天才学校の教育を受けてみたいよ。授業面白いかな?こっちなんて、授業がつまらなすぎて死ぬ。毎回授業退屈だ。時々話聞いてなくて怒られるけど、テストの点数があるから、成績は下がらない。学生時代は、テストの点数と人当たりの良さで成績が決まると思う。俺は、授業真面目に聞いてないけど、テストの点数は上の方だし、先生とのコミニケーションも怠ってない。こうすれば、高校入試までは楽。でも、新任の先生が来たら、また媚びうらなきゃ。メンド。でも、親戚から期待されてる分、頑張らなくちゃな。アイツだったら何も考えずに過ごしてるんだろうな。先生の媚び売りとか。親戚から嫌われてる時点で、プレシャーがない訳だから、そこではアイツの方が有利だ。嫌われてた方が良いかも。いや待てよ。嫌われてる分失敗した時の目は、冷たいのか?この答えは、アイツにしか分かんねー。でも、アイツのことだからそんな事なんか気にしてないんだろうな。アイツはどんだけ有利なんだよ。でも、アイツには重たい罪がある。そう考えると、俺の生活かアイツの生活、どっちがいいんだろ。考えたら切りがないことばっかり考えてる。何かそんなに現実逃避したくなる事あったっけ?何にもないはずだけど。

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