赤い道路
はとむぎ
第1話
ある夏の休みの日。家で独りで勉強をしていると『ドチッ』という鈍い音がした。
しかも二回程。
俺は独りだったから本気でビビっていた。(泣きそうになったw)
自慢では無いが俺は音の鳴った方向がだいたい分かる能力?があった。
勉強を止め、お気に入りのスニーカーを履いて音の鳴った方へと歩いていった。
自分の意識ではなくそこへ吸い寄せられるかの様に。
15分程歩くと交差点があった。
しかし可笑しな点がいくつもあった。
まず交差点なのに車もなく人も居なかった。
そして何より、コンクリートには赤い血に似た水溜まりがあった。
怖くなり家にすぐさま帰った。
最初に聞こえた鈍い音は何の音だったかは今でも分からない。
でもその日の夜の夢で、その交差点の近くにあるビルの上から女性が自殺する夢を見た。
それはとてもリアルな夢で、彼女が頭から落ちた場所には赤い水溜まり。
そして落下して頭が地面に当たった時の音は、あの時に聞いた『ドチッ』っという鈍い音にとても良く似ていた。
後日談
ある日用事がありそこの交差点の近くを通ったが何一つ可笑しな点は無く花束すら置かれていない事から、初めて夜に見た夢は夢だと気付いた。
赤い道路 はとむぎ @hatomugi720
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