第13話 君につながる物語
ちょうどそのころ廊下から足音が聞こえてきた
足音がちかくなりやがて部屋の前で止まりドアが開かれる
『部屋あさってないでしょうね?』
にやにやしながらわざと聞いてくる
「俺をなんだと思ってるんだ!?」
『変態』
「理不尽だ...」
いつものたわいのない会話をしばらく楽しみたいところだが
きょうは、ようじがあってきたのだ
「さっそく、やったの見せてもらっていいか?」
『だめ』
「え...まじで?」 聞き間違いだと信じもう一度聞いてしまう
『マジで』
「なんで?」
『休み明けのテストどうするきなの?』
「気合で乗り切る!」
『できるわけないでしょ』
あきれ顔でおれに話す
『いい!将来のためにもしっかり宿題はする!』
「いやべつに....必要になったら勉強すればいいし...」
『今日がんばればまだ間に合うかもしれないからさっさとやる!』
真剣な顔でこちらをみる
まあ、たしかにいつかはちゃんとやらなきゃと思っていた
いつも逃げていたがこれは考えようによってはチャンスかもしれない
「わかったよ どうせほかにあてはないんだ、やれるだけやってみるよ」
わざと、ためいきをつく
『よく言った! よし、わかんないところあったら教えるからばんばん
聞いてね!』
あからさまに笑顔で喜んでいる、なにこれかわいい
さっきから結衣の視線が気になる
本かなんか読んで時間をつぶすと思っていたら、ずっとこちらを眺めて
いる
恥ずかしすぎだろ
たまにこのようなイベントがゲームか漫画であるのだが、
あちらの世界でそれやると
互いに意識しちゃって、全然集中できない気がする
実際にそれやったことある人に、ご感想を聞いてみたいものだ
「なあ、この問題どう解いたらいいんだ?」
『どれどれ~!』
気のせいだろうか?少し結衣のテンションが高い気がする、
するとこちらのほうに歩いてきて隣に座る
うお!?近い!近い!
家だからか普段より薄着で、いつもはまとめている髪も今日は降ろしている
そのせいかいつもより可愛くみえ、いい香りが漂ってくる
マジでやばい
『...で、ここがこうなるの、わかった?』
しまった見とれていて全く聞いていなかった
「悪いもう一回いいか?」
『ええ、いいわよ』
「なるほど ありがと」
『どういたしまして』
『ちょっとトイレ行ってくるね』
「了解」
『わたしがいないからって、さぼるなよ』
いたずらっぽく笑いながら部屋を出ていく
「へいへい」
『ちょっとアピールしすぎだったかな』
トイレで少し呟いてみる
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