第7話 じゃあ、またね!
「あの写真を撮ったのはどれくらい前だったっけ?」
ベットにあったあの懐かしい写真の話をしてみる
みんなで川に遊びに行った最後の写真だ
それからみんなそれぞれ夢に向かって歩き始めた
『私達が中学卒業したくらいだから.....大体10年くらい前かしらね』
『あの頃は毎日が楽しかった』
『朝早くから出掛けて、日が暮れたら家に戻って、ごはんたべてみんなで寝て』
『あの頃に戻りたい』
思わず冬香を見てしまう
暗くて顔は見えないが大体想像がつく
考えていることが同じだからだ
そこで、今まで何となく聞くことをためらっていたあの質問をする
「.....なんでアイドル目指したんだ?」
少し何かを考えていたようだが口を開いた
『一日一日を少しでも楽しんでもらうため』
「楽しんでもらう?」
『そう、私は田舎に帰ると君がいてそしてみんなと一緒に遊ぶのが楽しかった』
『私もそうなりたかった、君みたいに人を笑顔にそして他人の明日を楽しくしたかった』
『だからアイドルになりたかった』
「そっか.....」
いままであやふやになっていたものが少しはっきり見えた気がする
『後はどっかのアイドル好きのため』
「誰だよ?」
『次また君のうちにとまれたら教えてあげる』
「そうか、じゃあせいぜい次を楽しみにしておこう」
冬香の学校にアイドル好きの子でもいたのだろうか?
まさか!その子のためにとか!?
くそ、これで俺の嫁が.....
『じゃあ、今度こそおやすみ』
「ああ お休み」
懐かしいな、誰かと寝るなんて
そんな事を思いながらねた
『おきて~こなた こなた!』
そらした このは 空下 木葉
やっと俺の名前出たのかよ!
主人公なのに一番遅いとかひどくね!?
「ん? ああ、おはよう」
まだぼんやりとした意識の中二度寝したい欲望に抗いながら
何とか顔を上げ目を開ける
『えっとその.....昨日はお恥ずかしい物を見せてしまって....』
昨日.....ああ、ビール飲んだあとか確かにいつもより口調が荒かった気がする
「気にすんな 俺も酔った時はそんなもんだ」
少しでもフォローするために笑って返してやる
「ってゆうか、あっちの方が喋りやすかったかもな」
『それはそれで落ち込みますね』
「すまん 一言多かったな」
『ん~ じゃあ今度また遊んでください
じゃなきゃ許しません』
子供っぽくすねている
「わかった、じゃあまた今度遊ぼうな
連絡くれ」
『分かりました じゃあそろそろ仕事に行きますね』
そう言うと名残惜しそうに僕を見てほほえむ
「そうか、頑張れよ今度ライブあったらいくから」
冗談半分で少しでも気分を軽くしてやりたかった
『少し恥ずかしいな』
『またみんなで遊べる日が来るかな?』
なんとも言えない質問だった、だがあえてこう答える
「当たり前だ! またみんなでばか騒ぎしようぜ!」
『うん!』
彼女は心から笑い言った
『じゃあ、またね!』
「おう! またな!」
固まっていたものがまた少し動き始めたきがした。
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