第6話 二人のお話

『やっと終わりました!』

「お疲れさん 飯でも食ってくか?」

『あ、いただきます~』

 かたずけが終わったのはもう外が暗くなり夕食の時間帯だった

 一人暮らしのため料理などはいちおう一通りのものは作れる

 ようになった

「なんか食いたいのあるか?」

『ん~? 鮎の塩焼き』

「それでいいのか!?」

 いやまあ、一応飯だけどさ

『写真見てたらまた昔みたく食べたくなったもので』

「お前もまだ覚えてるのか」

 ついつい苦笑いを返す

 昔は良く川に行って釣ったり罠を作ったりしたものだ

 時代と田舎特有のものだろうか

「そんじゃ買って来る」

 もし二人で買いに行ってマスコミにでも写真をとらでもしたら

 今までの苦労が水の泡である

『あ、私も行く!』

「いや、マスコミとかいたらどうすんだ!?」

『猫耳つけてメイド服着てたらただのコスプレしてる人だと思うんじゃない

 かな?』

「いや、そうかもしれないが.....」

『ついて行きますから!』

 仕方なく夜の街に彼女と行くことにいた

 そろそろ風が冷たくなってきた

 田舎暮らしもなかなか好きだったが、大きな仕事をしたかった

 ため都会の方へと越してきた今では慣れたが

 人の多さと人との関わりが田舎と少し違い戸惑ったものだ

 


『ただいまー!』

「おかえりー」

『あなたも一緒に帰ってきてるのに何で、ただいまなんですか!?』

「何となくだ」

 相変わらず二人の息はぴったりのようだ

 さすが俺の嫁

 ギャルゲーだったらメインヒロイン一直線だぜ!

 などと、ばかなことを考えながら


「じゃあ作るか」

『はい!』


「食った、食った」

『ごちそうさまでした~』

 久しぶりに知り合いと食事したがなかなかいいものだな

「手かお前何時に帰るんだ?」

『ん~今日は一緒に寝る!』

「お前酔ってんのか!?」

 食事の時ビールを飲みながら食ったがそこまでアルコールに弱いとは

『酔ってない、酔ってない』

 まあ確かに言葉ずかいが少し荒いがまだしっかり

 意識は保ってるようだ

『元からそのつもりだったし』

「マジか?」

『もっちろーん!』

 冬香は昔から一度自分の意思を固めれると簡単に曲げないのでここは、折れて

 やることにした

 幸い布団だけは余ってたのでそれを被りそこらへんにころがってよう

「仕方ない、明日の仕事には間に合うようにしろよ」

『ありがと やっさしいー』

 小悪魔的な笑みを向けてくる、普段は見ない昔とは違う顔に

 やはり女の子だと意識してしまう

「うるせー はよねろ」

『はーい』


「お休みー」

『お休み 愛してる あ な た☆』

「うるせー!とっととねろ!」

『はいはいー』

 三十分くらい経ったろうか全く寝れない

「冬香まだ起きてるか」

『起きてるよ』

「少し話をしないか 寝れそうにない」

『そうね私も』



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