第523話 ◆歓迎会 その1
◆歓迎会 その1
あーーー いいお湯でしたね。 ほら、お肌もこんなに艶っつやです。
サリエルが自分の腕を撫でながら、ヴォルルに見せてくる。
サリエルは、ほんとうに色が白いわね~。 ヴォルルがサリエルの腕をまじまじと見ながら素直に感想を述べる。
あら、ヴォルルさまの褐色のお肌もとても魅力的ですわ。 サリエルもエロさを漂わせるヴォルルの湯上り姿を見て言葉をかえす。
オホホホ そうなのよ。 このナイスバディを引きたてるには、実は小麦色の肌が一番いいのよ~。
ヴォルルが髪をかき上げながら大胆なポーズを取って自慢のボディを見せつけてくる。
その横ではユカが赤い顔でフラフラしている。
なぜならヴォルルのボディマッサージを何回も受けるために長湯をしたからだ。
ヴォルルさん、あれだけやったのにユカの胸は何故もとのままなんですか?
あらあら、ホウニュウ草エキスの効果が現れるには数日かかるのよ、ユカちゃん。
それに1回だけじゃダメ! 最低でも10日くらいは続けてやらないと。
ヴォルルが両手を広げ10本の指をユカの目の前に突き出す。
はぁ・・ そうなんですね~。
ユカはぼぉ~とした頭でも一応納得したようだ。
さてと・・ そろそろみんなが来る頃だわね~。
ヴォルルは自分の分身たちにユカの歓迎会をやることを伝え、分身の近くにいる仲間を既に古城に呼んでいたのだ。
ヴォルルさま、私たちの他にあと誰が来るのですか。 ラグエルがふらふらのユカを支えながらヴォルルに確認する。
ああ、ちょうど連絡がついたのは、セレネとアリシアとシルフちゃん。 あとはコリン君とベルちゃんが来るわよ~。
あら、ニーナさまは来られないのですか? サリエルが不思議そうな顔をしながらヴォルルに聞いてくる。
ニーナちゃんは特使として隣の国まで出かけてるんですってよ~。
なんでも隣の国の王子さまの結婚式があるとかで・・
まあ・・ それなら女王のセレネさまがご出席されるのが筋では?
いや・・ なんと言えばいいのかしらね。 あの娘ったら他人の結婚式なんか絶対でないとかゴネたらしいわ~。
 ̄\(-_-)/ ̄ ヴォルルがお手上げポーズをしながらサリエルに答えた。
イケメンの王子さまだったし、自分じゃないのが悔しいんじゃないのかしら~。
まあ・・ セレネさまったら。 わたくし達というものがありながら、まだ殿方との結婚を夢見ているのですか。
サリエルの顔が険しくなる。
う~ん。 人間の女性のことはよくわからないことが多いけど、きっと男に抱かれて気持ちよくなりたいんじゃないの~。
はわわっ 主よ。 どうかセレネさまの性欲をお抑えくださいませ。 サリエルがこの世の終わりのような顔で十字を切る。
わたくし、ちょっと終末のラッパを取りに行って来ます。
ちょっ ラグエルったら、ひとりで勝手に世界を終わらせないでくださいよ!
ラグエルが窓から飛び立とうとするのをサリエルが既の所でつかまえる。
ガッ
痛い 痛いです。 サリエルってわたしには本当に乱暴なんですから!
服の裾を引っ張られてテーブルに思いっきり頭をぶっつけたラグエルが涙目で抗議する。
天使たちがそうこうしているうちに、古城の表門から人の声が聞こえて来た。
あっ もしかしたらセレネさまたちが いらっしゃったかもしれませんわ♪
サリエルがラグエルの手を握ったまま、勢いよく部屋を飛び出して行った。
はぁ~ やれやれ。 まったく毎度毎度、落ち着きのない天使たちよね~。
それじゃあ、ユカちゃん。 あたしたちは先に会場の方に行きましょうか。
あっ はい。
そしてユカもヴォルルに手を引かれ、相変らずフラフラしながらも会場へと向かうのであった。
歓迎会その2へ続く・・・
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