第412話 ◆お義母さん、僕たち結婚します

◆お義母さん、僕たち結婚します



チェイスに血を吸われたニーナの目からは精気がどんどん消えて行く。


このまま放っておけば、ニーナもヴァンパイアになってしまうのだろうか。



チェイスはニーナの耳元で、ニーナに自分の妻になって欲しいと囁いた。


これから君のお母さんのところに行って、結婚の報告をしよう。  きっと祝福してくれるはずだ。


は・・い。



二人は港の宿屋から、お城を目指して歩き始めた。


ニーナはチェイスと並んで腕組みをして歩いている。


その姿に、港町商店街の人たちは目を真ん丸にして見ている。



ねぇ、ニーナちゃんの隣の人って誰だい?


う~ん、見たことがない人だねえ。


ずいぶんと仲良さげだけどいったいどういう関係なんだろう?


そんな言葉を聞いて、チェイスはニーナの肩に手をまわして引き寄せた。


そして、こんどは腰に手をまわしている。 それを見ていた商店街の童貞たちは、キリキリと悔しがる。



まあ、あれってニーナちゃんの恋人なの?


きっとどこかの国の王子さまなんじゃない?


これは近いうちにご婚約の発表とかあるんじゃないの。


お城までの道を歩くうちに、二人の噂話はどんどん膨らんで行く。



ニーナ、もうすぐお城に着くね。  早くお義母さんに結婚の報告ができるといいね。


はい。


そうこうしているうちに、お城の門をくぐり大広間に入った。


セレネは、チェイスがニーナにべったりくっついてお城の門から歩いてくるとの報告を受け、既に広間で二人が来るのを待っていた。



ニーナ、これはいったいどういう事なの。 ママに説明してくれるわよね。


さあ、ニーナ。 僕たちの結婚のお許しをお母さまにお願いしてくれるかな。  チェイスがニーナの耳元で囁く。


ママ、あたし・・ チェイスと結婚します。


なっ・・  ニーナ何を言っているの。  あなた、その男とは今日会ったばかりじゃないの!


お義母さん、ニーナさんを絶対幸せにしますから、わたしにニーナさんを下さい。 お願いします。



あ、あんたにお義母さんと呼ばれる筋合いは無いわよ!   ニーナ、直ぐにその男から離れなさい。


ママが今直ぐその男の正体をあばいてやるわ!



待ってママ!  これはいったどういう事?   ヒーナの瞳にスッと精気がよみがえる。 



ちっ あと一歩のところで正気に戻ったか!  こうなったら仕方がない。 何回でもその女を吸血してやる!


吸血?  もしやお前は・・・



そうさ。 わたしは正当なヴァンパイアの血を引き継ぐ者!  貴様の娘を絶対に我が妻に迎え、一族を繁栄に導くのだ。


大切なあたしの娘を誰がヴァンパイアなどに嫁がせるものか!


ニーナ、こっちに来なさい。



行かせてたまるか!  それっ、また血を吸ってやる!


きゃあーー




果たしてニーナは、ヴァンパイアの嫁にされてしまうのだろうか?  


読者を焦らしたまま、次回へ続くのだ。  クククッ




ちょっ、今回文字数少なくねっ?  ←セレネ


最近疲れてまんねん。  ゆるしてや!  ←作者

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