第411話 ◆チェイスの正体 

◆チェイスの正体 


この国に移住を希望している医者でイケメンのチェイスさんを、モッフルダフが自分の船に乗せて連れて来てくれた。


彼はちょっとわけありのようだけど、医者が不足しているこの国の状況を考えれば大変ありがたいことだ。


しかも、背が高く顔もモデルのようでカッコイイ。  ムフッ


そして今日は、港の宿屋に泊まっているチェイスさんの移民手続きの説明にニーナを派遣した。



こんにちは、チェイスさん。 あたしが移民手続きを説明させていただくことになった、九条・ニーナ・オウゼリッヒです。


九条さんと言うと・・


セレネはあたしの母です。


ああ、そうだったのですか。 お母さまはとてもお若く見えますね。


でも、あなたはお母さまには、あまり似ていないようですが。


ええ、そうかも知れませんね。  ところで、手続きの説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。


おお、すみません。 それでは、こちらのテーブルにどうぞ。


はい。 それでは、こちらの書類から・・・



・・・


では、最後にこの書類の一番下に、サインをしてください。


わかりました。  チェイスは、署名を終えると書類をニーナに手渡した。


はい、これで手続きに必要な書類は揃いましたので、あとはこれを役所に持って行って提出してください。


身元引受人の欄は、あたしの名前を書いてありますので、申請はすんなり通ると思います。


今日は本当に、いろいろとありがとうございました。


いいえ、どういたしまして。  それではこれで失礼いたします。


あっ、ちょっと待ってください。  今日のお礼にお食事をご一緒にしたいのですが、いかがでしょうか。


いえ、これはあたしの仕事ですから、どうぞお気になさらないでください。



そうですか。 それでは、これはほんのお礼です。


そういうとチェイスは、ニーナの背後からニーナの首筋にカプリと牙を刺して血を吸った。


あっ・・・ 血を吸われたニーナの目から精気がどんどん消えて行く。


フフフ 実はわたしはヴァンパイアなのです。


もう、あなたはわたしの思うがままですよ。  




たいへん、インキュバス騒動がやっと何とかなったばかりなのに、今度はヴァンパイアやーーー!


ニーナは、いったいどないなってまうのやろーー。

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