第403話 ◆筋肉痛と資金調達

◆筋肉痛と資金調達


久々の温泉旅行で気分もリフレッシュできた。


アスレチックをした翌日は、筋肉痛で大変な目にあったけど、次の日に筋肉痛になるのは若い証拠というのを思い出し、思わずニヘリとする。


アリシアとメイア、ニーナは、アスレチックで散々体を動かしたのにウォータースライダーへと駆けて行った。


そういう元気が出ない自分は、そろそろJK卒業なのだろうか。


・・・



3日も公務をサボっていたので、仕事がたくさん溜まってしまった。


そろそろ本格的に、人を登用して自分たちが不在でも仕事が回るようにしたい。


それには、やはりお金がかかるので税金を増やさなければならない。


税金が増えれば、国民に負担がかかる。  これは、あたしとしては心が痛む。


では、いったいどうすればいいのだろうか?



あたしは悩んだ据えに、公共事業を増やすことを思いついた。


例えば、先日行った温泉宿みたいに、人が楽しんでお金を落とすような施設を国営でやるのだ。


利益は次の投資に回したり、国の財政に回せる。  あたしは何て頭がいいんだろう。  えっへん!



セレネったら、それをパクリっていうのよ!


また、あいつだ。  アリシアはいつもあたしの傍にいて、あたしの独り言に突っ込みを入れる。



アリシアは、まだお子様ね。 パクったっていいのよ。 肝心なのは、それに新たな付加価値をどうつけるかなのよ。


他人のものまねじゃなくってね! そうだ、コリン君に相談して来ようっと。


アリシアが、ほ~ん みたいな顔をしているが、無視してコリン君を探しに行く。



あっ、いたいた。  コリンく~ん。


今度は何を思いついたんですか?


なんで分かるの?


そりゃあ、そのおねだり口調ですよ!


やだ、コリン君たら~。  もぉ~  ちょっと公共事業をやって儲けようと思ってるだけじゃないのー。


公共事業ですか?  資金がありませんよ。  アンディさんの会社に多額の貸し付けをしてしまいましたからね。


だからさ、その資金を稼ごうとしてるんじゃないの!


いやいや、最初に必要な資金が無くてどうするんですか?


ふふふ お姉さんを舐めてはいけないよ。 資金はね、アンディみたいに会社を作って株式を発行して集めればいいのよ。


もしくは、クラウドファンディングみたいな?  あー あと国債でもいいかも。


なんですかそれ?


簡単に言うと、国民からお金を借りるのよ。 それで儲かったら、その分を返すというか・・・


なんだか詐欺っぽい臭いがしますね。  コリン君はあたしに疑いの眼を向ける。


や、やだな。 女王さまが、そんな悪党みたいなことするわけないじゃないの!


でも、利益が出なかったらどうするつもりなんですか?


そ、それは・・ 株の場合は無配当ってことかしら・・ う~ん、よくわかんないや。  テヘペロッ♪


ダメですよ。  そんないい加減なことじゃ!


アンディさんの会社の時は、あんなに綿密な計画書を作成してたじゃないですか。


うっ 返す言葉がありません。


いずれにしてもきちんと事業計画書を作ってください。 内容は僕がチェックしますから。


は~い  ってか、一緒に考えてくれないの?


そんな暇はありません。 3日も休んだのを忘れちゃったんですか?


いや、だからね。 あたしたちが居なくても仕事が滞らないように人を登用したくて、その人件費を稼ごうかと思ったのよ。


なるほど、そういう事でしたか。  でも、闇雲に新規事業を立ち上げて失敗でもすれば、それこそ国が傾きますよ。


ぐっ・・  分かりました。 よく考えてから出直して来ます。




こうしてセレネは、事業計画書を作成するため自室に籠ったのだったが・・・

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