第398話 ◆ミミさんのお昼寝
◆ミミさんのお昼寝
ミミさんは、キャロンさんの妹で獣人目ねこ科である。
獣人にもいろいろなタイプがあるけど、二人は猫耳と尻尾と肉球がある手足以外は人間によく似た体である。
普段は直立歩行だが、急ぐ場合は四つ足の方が速い。
どういう構造化は分からないけど、四つ足になった時の手足の動き方が人間と違うので速く走れるようだ。
性格は猫に似ているところがあって、自分が感心がない事には全く反応しない。
最初は挨拶しても無視されているのかと思っていたけど、特に意識してシカトしているのではなかった。
どちらかというと寒がりなところも猫である。
今日は、日差しが暖かくポカポカして日向ぼっこにちょうどいい日だと思っていたら、ミミさんがサマーベッドを庭に持ち出して日光浴をしている。
あたしが居るところからは、頭と耳が見えているだけだが、耳はピクピクと動いたり、たまにフルフルする。
あたしは、ミミさんを驚かせないようにソロソロと近づいて行った。
なにしろミミさんの後ろにそっと「きゅうり」を置いて、それに気づいて驚いてジャンプするのを見て大笑いする遊びをアリシアがし始めてから、ミミさんの機嫌がすこぶる悪い。
下手に驚かせて、引っ掻かれたら大怪我をするだろう。
ふぎゃっ!
あたしは、ミミさんの寝姿を見て思わず猫が驚いたような声をあげてしまった。
にゃっ?
その声でミミさんが気が付いて、ベッドから起き上がったけど直視できない。
だって、ミミさんったら何も着てないんだもん。
ミミさん、なんで裸なの?
日光浴は裸でするものにゃ。
うん、まあ外人はそういう人もいるけど・・・
セレネも一緒に日光浴するにゃ。
うんにゃ、あたしは遠慮しとくにゃよ。
にゃんで? どうせ暇にゃくせに。 もしかしてあたしのことは嫌いにゃのか?
そんなことはないにゃ。
よし、それじゃ脱げにゃ!
う゛ーー 分かったにゃ~。
こうしてダブルサイズのサマーベッドに、二人して全裸で寝そべって日光浴が始まった。
う~ん 気持ちいいーーー。
そうにゃ。 日光浴は裸が一番にゃ。
ポカポカ ポカポカ あったかい。 いつの間にか二人ともスゥースゥーと寝息を立てて寝ていたにゃ。
これを遠くからストーカーのアリシアが見ていて、ニヤリと笑った。
そしてコリン君の菜園から大切に育てているきゅうりを大量にもいで来て、サマーベッドの周りに並べ始めた。
そして1時間後・・・
ふぎゃーーーー!!
きゅうりに驚いたミミさんが、ベッドから大ジャンプ! おそらく新記録樹立だ。 垂直に6mは飛んだ。
だがその反動であたしは、サマーベッドから転がり落ちてしまった。
イッテェーーーー
おわっ! なんじゃこれーー?
アリシアが、あたしの体の上にきゅうりを並べて置いたらしく、変な風に日焼けしてしまっていた。
なんだか、おっぱいの上に眉毛、おっぱいの間に鼻、おへその上に口・・みたいな・・・
あんのやろーーー 絶対にとっ捕まえて酷い目にあわせてやるにゃあーーーー!
でも、先にコリン君に捕まって説教されてました。
そして3日間の朝昼晩の食事は、アリシアだけ「きゅうり」三昧だったのだ。
わはは、ざまあみろにゃ!
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