第397話 ◆自業自得
◆自業自得
物置小屋でアリシアがホウニュウ草の植木鉢にしようと大きな水ガメを一生懸命探していた。
アリシア、見つかったかい?
あっ、コリン。 丁度いいところに来た。 これ、重くて持ち上がらないんだけど。
はいはい。 そこどいて。
よいしょ。 ほら、台車をこっちに寄せて。
うん。
せ~のっ! ふぅ・・ で、ほんとうは何を植えるの?
ギクッ
べべべ別に。 観葉植物だっていってるじゃないの。
ふ~ん あやしいなあ。
えっと・・・ コリンは、ホウニュウ草って知ってる?
ああ、一度危ない目にあったことはあるけど。
危ないですって?
うん、おやじのやつが僕の胸をおっきくしようと企んだことがあってね。
やっぱり大きくなるのね?
いやいや。 確率は1%未満だよ。 それよりかぶれて酷いことになるから。
そうなの?
アリシアもしかして、誰からか聞いたの? てか、セレネさんだろ!
う・・うん。
まったく、あの人は毎回毎回しようもない事を。 アリシア、悪いことは言わない。 ホウニュウ草はダメだよ。
えーーー せっかく育てたのにー。
そうだ! そんなに諦められないのだったら、実際にホウニュウ草に捕まったらどうなるか見てみるといいよ。
それって・・・
そう、まずはセレネさんに試してもらうのさ。
だって、セレネはバインバインじゃない!
いや、胸が大きくなるかじゃなくて、どう悲惨な状況になるかだよ。
・・・
ねえ、セレネ。 ホウニュウ草、明日実行しようと思ってるんだけど。
おほっ♪ ついにですか。
うん。 でも、ひとりじゃ怖いから、セレネも一緒についていてくれるかしら?
OK、OK。 もとより、そのつもりよ♪
えっ?
えっ あ・・ いやなんでもない。 こっちの話し。
じゃあ、明日10時にあたしの部屋に来てね。
OK♪
・・・
そして運命の当日。
コン コン ドアが軽やかにノックされる。
はい、どうぞ♪
あら? アリシア、裸じゃないじゃないの。
揉んでもらう前にお風呂に入ろうと思って。
ああ、そういう事か。
ねえ、セレネも一緒に入ろうよ!
いや、あたしはいいよ。 昨日の夜入ったし。 別にあたしがホウニュウ草に揉まれるわけではないし!
だって、そこで待っててもらっても何だし。 ほらっ、早く服を脱いで。
(う゛ーー ここで怪しまれてもなんだし、仕方ない、つき合うかー)
わかった、じゃ一緒に入ろうか。
チャプン ふぅ~ いいお湯だねー。
温泉を引いてくれたコリン君には、ほんとうに感謝しないとだね。
じぃーーー セレネってば、またおっぱいが大きくなってない?
いや・・ これは、最近食べ過ぎてね。 栄養が胸に偏っちゃっただけ。
そう・・ あたしも栄養がおっぱいに偏って欲しいなーー
でもさ、この後ホウニュウ草に揉んでもらえば、うまくすれば結構膨らむかもよ。
そうだね・・・ (ムフフ セレネが先だけどね)
さあ、そろそろ上がろうか。
うん。
はい、タオル。
サンキュー アリシア。
フン フン フン♪
セレネ、拭き終わったらタオルをこっちに頂戴。
ほ~い。 ありがとう。
どう致しまして。 それっ、 どぉーーーん。
わわっ あたしはアリシアに不意に体を押されて大きくバランスを崩しよろけた。
ガシッ
ぎゃーー ホウニュウ草に捕まったーーーー!
こ、こらっ! 放せ!
モミモミ モミモミ さっそくホウニュウ草の大きな葉が動き出す。
くっ
あああぁーーーー
べちゃっ ねとぉ~
あああ、粘液が出て来たーーー
ぎゃー 痒いよーーー!
モミモミ モミモミ
あ゛・・お゛・・お゛っ・・ ピクッ ピクッ
やっぱり、コリンの言う通りだったわね。
あと3年も待てばきっと自然におっきくなるから、それまで楽しみにとっておく事にするわ。
この後、セレネの体は真赤に腫れ上がって、熱も38度出て三日三晩のた打ち回ったのだった。
なお、ホウニュウ草はアリシアが丹精込めて育てたので、自生しているものに比べると毒性も高かったようである。
プシューー
【異世界Wiki】
ホウニュウ草は食虫植物の一種らしいのだが光合成も行えるため、粘液に含まれる消化酵素の力が弱くなった。
遥か昔には、大型の哺乳動物を捉えて養分を吸い取っていたと推測される。
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