第361話 ◆ティアとルイ

◆ティアとルイ


ねえ、お兄さんも着ぐるみ脱いだらどうですか?  どうせあたしはバカだし。


ルイ兄さま、あたしもそう思います。


プッ バカとおんなじ意見。


キッ


ありゃま、睨まれちゃった。



ティアがそう言うなら、僕も脱がせてもらうよ。


そう言って宇宙人兄が緑色の髪のブタみたいな着ぐるみを脱ぎ捨てるとなんと超イケメンだった。



それにアンディとかリアムとかと違ったタイプのイケメンだ。


どっちかっていうとエリージャ伯爵系だろうか。


ちょっと、あなた!  なにルイお兄さまのことをジロジロ見ているのよ!


えええ?  そんな見てないし!


いいえ、今、お兄さまのことイヤラシイ目で見ていたわ。


(うわ、この娘ってもしかしてブラコンなのかな?)



ねえ、そんなことよりも、あたしの体脂肪率までバラしたんだから、早く解放してくれないかな!


そうね、あとはコレで記憶を消去したらおしまいだから、10分ほど待って。


なにやらティアがニヤリとしながら持って来たのは、ヘルメットに電極がたくさん付いた装置だった。


もしかして、それってビリビリして、ときどき骸骨とか光って見えるヤツじゃないわよね?


あら、よく知ってるわね。  ひょっとして、前にもうちの別調査隊に捕まったことがあるの?


え~と  あたしバカなんで、もうさっきまでの事なんか、すっかり忘れました。


だ、だから、そのビリビリはやらなくっても大丈夫ですよ。  えへへへ


いいえ、ダメよ!  おとなしくコレを被りなさい!


ああっ!  


あたしは椅子に縛り付けられているので抵抗できないまま、ティアに怪しい装置をセットされてしまった。


ちょっと。 痛いのはイヤーー!  ごめんなさい。 ごめんなさい。 ごめんなさーーーーいっ!


ルイお兄さま、お願い。


OK、ティア♪   はい、ポチッとな。


バリ バリ バリッ


ギャーーーー


プシューーーッ


・・・


メイアは、セレネがUFOに攫さらわれてから、乗って来た釣り船を必死で操り港へと帰って来た。


そして、急いでお城に戻るとみんなに、セレネがUFOに連れ去られたことを訴えた。


いきなりUFOの話しをしても信じられなかったかも知れないが、モモちゃんの結婚式の帰りにヴォルルさんがUFOを目撃していたのですぐに騒ぎとなった。



セレネって、どうしていつも問題ばかり起こすのかしら。 ←アリシア


今回は相手が分からないだけに難しい問題ですね。 ←コリン君


とりあえず、あたしの全ての分身にセレネちゃんを探すよう指令を出したわよ。  ←ヴォルルさん


セレネさまに何か遭ったら、まりあ女王さまに申し訳が立たないぞ。 ←リアム


あたくしは、セレネさまの無事を神に祈ります。 ←サリエル


あらっ?  そういえばお母さんとブラックさんはどこにいるのかしら?  ← ニーナ


ほんとうだわね。  メイア一緒にいたんでしょ!  シルフたちはどうしたのよ!  ←アリシア


さかな釣ってたからしらな~い。


あ~ だめだこりゃ!



その場に居た全員がズッコケたので、次回へ続く・・・

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