第351話 ◆いったい何様のつもり

◆いったい何様のつもり


セレネー いい加減に部屋から出てきなさいよ。


何回でも言うアリシアはセレネのことが大好きだ。



お守りや破魔矢とかどうするのよ?  あたしの部屋は物置小屋じゃないんだけどー。



今回は、作戦ミスよ。 そうよ、事前の宣伝がまったく足りてなかったわ。


商店街の餅つきイベントは大成功だったって言うのに・・・  いったいどこで間違ったのかしら・・


きっともう少しお金があれば夜店とか出していろいろ売れて、計画した集客数は余裕で稼げたはずだったんだわ。



セレネー おみくじ売れなかった~  ごめんなさい。


あー メイアのせいじゃないから。 メイアこそ寒いのに頑張ってくれてありがとうネ。



よしっ、次は花見と夏祭り企画で挽回を図るわよ!


やれやれ、懲りない人だなあ・・・  コリン君があきれ顔でセレネに言う。


そうだ、今回はコリン君を排除してしまったことも敗因だったんだわ。


次は、是非お願いね。 コリン君♪



どうでもいいんですけど、4月からが新年度ですから、こんどはきちんと計画を立てて予算申請してください。 


ゴハッ


また、吐血ごっごですか・・  ちゃかしてもダメですからね。  次年度は計画がないものには絶対におは金だしません!


そんな~  人間っていうのは閃きの動物なんだよ!  1年前から計画っておかしくない!


たった今閃いたことが、来年までなにも出来ないなんて絶対におかしいよ。


わかりましたよ。 それでは特別予算を組むことにします。  でも、今年度のように、あれもこれもはダメですからね!


ムウ~



セ、セレネさま、たいへんです。


サリエル、どうしたのそんなに慌てて。


これ、これを見てください!


なに?


天界通信っていう各地にいる天使宛ての機関誌みたいなものです。


どれどれ・・・


なんだこれ?


これって、セレネさまが造営された神社のことですよね?


そうだと思うけど・・


ここ、「天界の教えに刃向かうものは殲滅すべし!」って書いてあります。


こいつら、宗教の自由っていうのを知らないのかよ!


セレネ王国の神社は八百万神の神を祀ることにしたんだから、どの神様を信仰してもいいんだ。


よその国に干渉するとは、いったい何様のつもりなんだよ!


やだな神様ですよ。  セレネさまったら。


ありっ?  サリエル、いま面白い事言ったつもりじゃないわよね?


な、なんのことですか?



あたしとサリエルが大声で話していたら、コリン君がやって来て話しに加わった。


セレネさん。 前に天界に殴り込んだ時、確かヴァルキューレは9人いたんですよね。


うん、スクルドっていうやつとは話しをしたけど、そんなに悪いヤツじゃなかったよ。


ヴァルキューレって、ヴォルルさん1/10クラスって聞きましたけど、そんなのに攻め込まれたら壊滅的な被害がでますよ。


わかってる。  あの時もしもハッタリが効かなかったら、全員死んでたかもしれないし。


で、どうしますか?


うちは、少し前に建国したんだし、天界にとやかく言われる筋合いはないでしょ。


しばらく様子を見て、もしちょっかいを出してくるようなら、同盟国も含めて交渉ってところかな。


もしもあいつらがあたしの大切な人たちをちょっとでも傷つけたりしたら、今度こそ天界を滅ぼしてやる!



なにやら雲行きが怪しくなって来たので、次回へ続く・・・

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