第349話 ◆巫女さん大募集

◆巫女さん大募集


メイアとサリエルに造ってもらった神社がパワースポットとしてじわじわ人々の間に浸透していた。


こっちの世界で神様というとサリエルが属していた天界にいる人たちを思い浮かべてしまうが、あたしの神社は自ら布教などはしない。


あたしは日本人なので、ちょっと西洋っぽい天界には馴染めないし、お正月の行事用に造営したなんちゃって神社なのでご神体もない。


なんとなくパワースポット化してきたのには、異世界の格式高い神様が祀られているとの噂が流れたことが大きいらしい。


どうしてこのような噂が流れたのかは分からないけど、なるほどご神体が祀ってあった方が神社らしいと思う。



なので、この神社には、あたしを祀ります。


ええっ?  


そしてこの神社の名前は九条神社と名付けるのです!


セレネってば、苦情神社の間違えじゃないの。


うまい!  アリシアさんに、座布団10枚!



ねえ、セレネ。 それ本気なの?


やっぱり、まずいかな~?


冒頭自分で言ったこと、もう忘れたの?  女王さまを祀った自分の神社を崇めなさいって、ちょっと引くわよ。


オホホホホ



やっぱり人は権力を持つと傲慢になるわね。  セレネがいい見本よ!


えーーー  あたしはこの国の人のために、良い事をたくさんしてきたじゃない。


それとこれは別よ!



じゃあさ。 そんなに言うなら神社の名前とご神体はアリシアが決めてよ。


いやよ。  あたし関係ないじゃないの!


ムゥーーー  分かりました。 それでは、ご神体は八百万神やおよろずのかみとしましょう。


???




で、本題はこれからよ。


神社と言えば、初詣なの!  (全国の宮司さん、ごめんなさい)


そして、初詣といえば・・・  そう、かわいい巫女さんなのよ♪


なんか嫌な予感がしてきたわ。


待ちなさい!  アリシア逃げてはダメよ!



巫女さんは男女雇用機会均等法の適用外なのよ!


だからあたしは今回、女性を指定して巫女さんを募集します。


つまり、コリン君はかわいくても巫女にはなれないのね?


そう、昔は男を巫かんなぎ、女を巫女かんなめと云っていたけど、最近では男は禰宜ねぎ、女をミコと云うのよ。


だから巫女さんは、女性なの。



ねえ、セレネってときどき深い話しするじゃない?  それって、 Wi〇ipe〇iaとかで調べてない?


ま、まさか・・・  アハッ アハハハ   ここにはネットも無いのに・・・


てか、なんでお前がWiki知ってるんだ?



あーー 嫌な汗かいたから、話しをもとに戻すわね。


ぶっちゃけ人手不足なんで今年の巫女さんは、あたしの方でもう決めてま~す。


ぶっ  募集とかどうなった!



今年は、サリエルとニーナとアリシアが巫女さん担当です。


セレネ~ 巫女っておいしい?


うん? メイアもやりたいの?


やる~


あああ 幼女巫女も可愛いかもねぇ  ハア ハア


・・・



ねえ、セレネ。 巫女さんって何をすればいいの?  あたし寒いの嫌なんですけど!


神社に社務所を作ったから、そこに座ってお札とかお守りとかおみくじを売ってもらおうかと思ってるんだけど。


つまり、販売員ってこと?


え~と 本来の巫女さんのお仕事ではないかも知れないけど、今の所なんちゃって神社だからね~。


そうだ。 社務所には、薪ストーブをつけてあげるから安心して。


もし、販売が嫌なら、あたしと一緒に甘酒を配る係りでもいいわよ。


なんだ、どのみちタダ働きってことなのね!



あら、この前お餅をたくさん食べたじゃないの。


うわ、後出しじゃんけん出たわ!




さて、もうすぐ大晦日ですが、いったいどうなることやら。


で、次回へ続く・・・

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