第347話 ◆お餅つき

◆お餅つき


ねえ、セレネ。


うん?  なに、アリシア。


この間、お正月には餅ついて~って歌ってたじゃない?


歌ってたー


でさ、お餅ってなんなの?


お餅かー お餅はねー ふわっふわで、もっちもちで、びよ~んて伸びるおいしい食べ物だよ。


つきたては、’あんころ餅’とか大根おろしで’からみ餅’とか’きな粉餅’とかで食べると最高においしいんだー。


あとは、焼いてお醤油と焼きのり撒いて’磯部餅’もおいしいよー



ごくりっ


そ、それをあたしに食べさせなさい!


うふふ  アリシアお餅を食べたいんだ。


当たり前じゃない。  それだけ、おいしいって聞かされたら食べたいに決まってるわよ。


それじゃあひとつ、お姉さんが食べさせてあげようじゃないか!



・・・


アリシアさん、お餅つきって準備がいるんで手伝って欲しいんだけど。


いいわよ!  あたしに任せなさい!


ふむ、よろしい。


では、まずは一緒に商店街に行くわよ!


???


そんなわけで、いまあたしはアリシアを連れて商店街を歩いている。


ここよ!


あれ? ここは・・・


そう、喫茶店。


カランコロン  ドアを開けるとカウベルが鳴る。


マスターいる?


よぉ セレネちゃん。 コーヒーかい?


違うよ。 今度は商店街を盛り上げよう企画第二弾だよ。


ああ、そういえばこの前のお祭りは大成功だったな。


でしょ! それでね、今度は餅つき大会をやろうよって企画なの。


餅つき?


とりあえず、今度の商店街の休みの日に実際にやって見せるから、また商店街のおっちゃんたちを集めておいてよ。


おぅ、わかった。  みんなに声をかけておくわ。


・・・


アリシア、この先のお店でお餅つきに必要なものを買っていくからね。


まずは、蒸籠せいろでしょ、あとは大きめのふきん(蒸し布)、お釜はお城にあるやつを使えばいいし・・・


ちょっと重たいけど、もち米も買って行かないとだね。 買ったやつはマスターのところに預けておけばいいから。


こうしてセレネたちは、買い物をしてお城にもどった。  そして・・



ねえ、コリン君。


ダメです!


なんでいつも、最後まで聞かないでダメだっていうかなー。


だって、セレネさんの話しはいつもお金がかかる事とか面倒事が多いじゃないですか。


今度はそんなにお金はかからないんですけどー


しかもですよ、商店街のお店協賛なんですよー


・・・わかりましたよ。 それで僕は何をすればいいんですか?


ふへへへ


実は動きやすくてカワイイ服が欲しいんですよ。 あとですね、お揃いの法被はっぴがあれば尚良です。


で、何着必要なんです?


あたしでしょ、ニーナ、アリシア、サリエル、ミミさん、コリン君、シルフ、ブラック、エイミーの9着かな。


ええっ、僕の分もですか?


当たり前じゃない。 お城で必要なものは大抵あそこの商店街から買ってるんだし、ここで交流を深めておけば安く売ってくれるからね。


あ、メイアとヴォルルさんは衣装は自分でなんとかするはずだから。


法被の方は、商店街の人の分もいれて50着っていうところかな。


うぐっ・・・ セレネさん、今年度はこれが最後ですからね!  もう金庫の中は空っぽですよ!


はいはい、分かりました。



あとは・・・  そうそう、メイアの出番でした。


メイア、今から絵を描くから倉庫にある木材と石を使って同じ形の物を作って欲しいんだけどお願いできるかな?


まかせろ~


やった♪  それじゃ、こういうのを石で作って。  これは石臼いしうすっていうんだよ。


大きさは70cmくらいの丸い形。  これを5個作ってくれる。


それから、今度は木でこの形ね。  こっちは杵きねっていうんだ。  これは8本作ってね。


うん、わかった~


こうして、お餅つきの準備は着々と進んで行ったのである。

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