第346話 ◆お正月と神社

◆お正月と神社


もういくつ寝るとお正月~ お正月には餅ついて~ おせちと雑煮を食べましょう は~やくこいこいお正月~


セレネ、それ何の歌?   アリシアはいつもセレネのそばにいる。


1年の始まりは1月1日で元旦って言うんだけど、1日~3日までとか7日までがお正月だよ。


あたしが住んでた日本って国では、お正月は美味しいものを食べてゴロゴロして、眠くなったら寝ればいい最高のイベントだったわ。


なにそれ、ほんとうに最高じゃないの!



(ちょっとセレネさん。 歌詞もお正月の説明も間違ってますよーー)



あとはねー 12月31日のことを大晦日っていうんだけどー 大晦日の晩から元旦にかけて初詣に行くんだよー


初詣って?


神様が祀ってある神社ってところにお参りに行って、美味しいものを食べたり、甘酒をもらって飲んだりするんだー


そんでねー おみくじっていうのを引いてー、その年の運勢の吉凶を占うんだー


そういえば、こっちの世界に来た年に引いたおみくじは、大凶だったわ・・・



(セレネさんの説明って少しずつずれてませんかー?)



そうだ!!


わっ なによ、いきなり大声をだして。  びっくりするじゃないの!


神社を造営しよう!


そうよ、お正月には、やっぱり神社が必要なのよ。



(また始まりました。  今度は神社が欲しいと・・・)



・・・


あ、いたいた。 コリン経済大臣、ちょっとお願いがあるんですけど♪


ダメです!


はぅ・・ ちょっと、まだ何にも言ってないじゃない。


いや、さっきの言葉の中に、何か甘~いお金の匂いがしましたから。


ちっ 女みたいな感の良さだな。 (もはや、どっちが女でどっちが男か分からない)


いや、今度のはあんまりお金はかからないから。


広い土地と大きな木と長くて太い丸太が4本と小さめの建物が一つだけでいいんだよ。



う~ん・・・  まあ、土地はいくらでもありますね。  丸太4本も問題ありませんし、大きな木はそこら中にありますね。


小さめの建物っていうのは?


あたしたちが、この土地に初めて建てたログハウスくらいのやつだよ。


ふむ、ならばOKです。


やったーーーー!


ものを造るとなると、この人!  そう、力持ちのメイアさん。


メイアおいで。


なに~?


これこれこういうものがネ。  欲しいんだ♪


わかった~。


さすがメイアさん。 お姉さんメイアのこと大好き♪


ムフ~


で、あっと言う間に出来ました。


おおっ!  けっこう立派じゃん。


これなんか、ちょっと御神木っぽくてすごくいいよ!



んっ?  なんかちょっと物足りない気がするのはなんでだろう?


あとは、お賽銭箱とか しめ縄とかは別に用意するとして・・・


わかった。  これはサリエルにやらせるか!


・・・


ここはお城の中。


お~い サリエルーーー!


セレネさま、なんでしょうか。


いまさっき、神社をつくってきたんだ。


神社ですか?


うん。  それでね、鳥居っていうのが入口に立ってるんで、赤い色で柱とか塗って来て欲しいんだ。


形はこんな感じ。 あたしはメモ用紙に鳥居の形を描いて説明した。


塗料は温泉施設を造った時の残りが倉庫にあるはずだから。


わかりました。


・・・


次の日


セレネさま、酷いじゃないですか!


何が?


鳥居ってもの凄く大きくて、全部塗るのに1日かかっちゃいましたよ!


あの~ たいへんなところ申し訳ないんですが、2度塗りでお願いします。


・・・ えっ?




そしてその次の日


セレネさま、確か自分は無宗教だっていってませんでしたか。


言ったよ。


でも神社って神様を祀っているのでしょう?


うん。  だから?


・・・ えっ?



サリエルが気の毒なので、次回へ続く・・・

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