第341話 ◆王立図書館プロジェクト

◆王立図書館プロジェクト


あたしたちが他の動物を見た時、よほどのことが無い限りは、個を特定することは難しい。


例えば、十匹のひよこを見て一匹を取り出した後に、もう一度同じひよこを見つけられるだろうか。


鯖とか鰯なんかだと更に難易度があがるというか、もはや不可能だろう。


キャロンさんとミミさんは、よく見れば体の模様が微妙に違ったりするのだろうけど、もう一人が隣にでもいない限り比べることが出来ない。



人間の場合でもよく似た双子は、親兄弟とかでもなければ、見分けるのは難しいはずだ。


そういう例えで説明しても、ミミさんはなかなか納得してくれなかった。


ちょっと面倒くさいところも似ているんだけど、さすがに口には出さなかった。


実は、あたしはキャロンさんにも、シャーっと威嚇されたことがあった。


姉妹にシャーされるなんて、なんだか悲しい。


・・・


なんとかミミさんには分かってもらえたので、本題である王立図書館の設立について協力をお願いした。


話自体はキャロンさんから聞いていてミミさんも、もちろんそのつもりで来てくれたので快諾を得た。



そんなわけで、今日からお城の中に住んでもらうことになったので、みんなに紹介することにした。


もちろん事前に、キャロンさんと似ているなんて絶対に言わないように根回しをしたことは言うまでもない。



こちらがこの度、王立図書館の設立にご尽力いただくことになった、ミミさんです。


それで、いまテーブルに座っているのが、セレネ王国の大臣たちです。


経済関連はコリン大臣。  国土関連はメイア大臣。  厚生関連はニーナ大臣。  防衛関連はアリシア大臣。 農業関連はヴォルル1/10大臣。


教育関係はサリエル大臣。 そしてあたしの参謀として、右肩に乗っているのがシルフ、左肩がブラックです。


そして、わが国と同盟を結んでいる、まりあ王国の大使館のリアム大使とエイミー夫人です。


ミミさん、これからよろしくお願いします。


こちらそよろしくお願いしますにゃ。  そう言うとミミさんの耳がピクピクと動いた。



図書館プロジェクトは、このメンバーで週に2回のペースで会議を行っていく予定です。


なお具体的な作業については、随時この他の専門メンバーを入れて行きますので安心してください。


あとプロジェクトマネージャは、ミミさんにお願いしますね。



こうして、この国の教育施設の頂点となる、王立図書館設立プロジェクトがスタートしたのだった。



ミミさんの耳がピクピク動いているので、次回へ続く・・・

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