第339話 ◆お好み焼き
◆お好み焼き
ある日のちょっとけだるい午後、あたしがソファでゴロゴロしているとアリシアとニーナが二人して来やがったデス。
セレネってば、けいちゃんを産んでから、いっそうだらしなくなったわね!
なんですと? もういっぺん言ってみなはれ!
何べんでも言ってあげるけど、今日は別の用事があって来たのよ。
ほぉ~ あてくしに用事ですと? ←そろそろおちょくり出したセレネ
なんだか腹立たしい言い方ね。 そうよ、ニーナも同じ用事よ。
なんと命の恩人のニーナ殿の用事なら、断れないでござるな。
なによ、あたしにだって何回も命を助けられてるじゃない!
へぇ~い すみませんでしたあ。 で、アリシアさまの用事というのは?
セレネが住んでた向こうの世界には、美味しいものがいっぱいあるんでしょ?
うん、そうだね。 でも、こっち世界の食べ物はみんな新鮮だし、なんといっても自然のものじゃない。
むこうの世界には美味しいものも沢山あったけど、人工添加物だらけで健康には良くないんだよ。
ふ~ん、でも公園で食べた焼きそばとかモデルのご褒美のプリンなんとかは凄く美味しかったわ。
だから、何か向こうの料理で、美味しいものを作ってみたいの!
はいはい。 でも食材が無いしなあ・・・ うん、それじゃあ、あたしの好きなものでいいなら教えてあげるよ。
OK、それでもいいわ。 じゃあ早く教えなさい!
それじゃ今日は、あたしの高校の近くにあったお好み焼き屋の豚玉を作ってみようか。
豚玉は、めちゃめちゃ美味しいよ!
ごくりっ
まずは、材料を集めないとね。
ニーナはメモを用意して。
はい、ママ。
それじゃあ、これから言うものをメモってくれる。
え~と
まずは、1人分の目安を言って行きま~す。
豚肉薄切り 5、6枚
薄力粉 80g
卵 1個
キャベツ 2葉
長ネギ 1/4本
生姜のすりおろし 小さじ1杯
塩 少々
胡椒 少々
油 適量
だし汁 適量
甘口ソース 適量
ケチャップ 少々
マヨネーズ 適量
鰹節、青のり 適量
はい、以上です。
こっちの世界に無いものは、あとで説明するから似たようなもので代用ね。
じゃあ、さっそく材料を調達して来てくれたまへ!
イエス マム!
・・・
さて、それではニーナはキャベツを千切りにして、アリシアは長ネギをみじん切りね。
は~い。
出来たら薄力粉と卵とだし汁をよく混ぜてください。
ちょっとお・・これって結構しんどいわよ!
文句は言わない! あとでこの苦労も吹き飛ぶくらい、美味しい豚玉が食べられるんだから。
良い感じになったら、具材を入れてさらに混ぜるのだ!
こんどはニーナの番よ! 少しは苦労しなさい!
は~い♪
あーー ホットプレートがあったら良かったのになあ。
あたしは、仕方なく大き目のフライパンを火にかける。
それじゃ、いい。 1枚目はあたしがお手本を見せてあげるから、自分の分は自分で焼くのよ。
イエス マム!
まずは、油を敷きます。
フライパンが熱くなり過ぎてるときは濡れ布巾でちょっと冷ます。
次に生地を投入します。 お玉を使って丸く伸ばして・・・ 豚肉を上に敷いていきますよ~。
生地がきつね色になって来たらフライ返しで・・・ えいやっ・・っと こんな感じでひっくり返しま~す。
しばらくすると豚肉がカリッカリになるので、もう一度ひっくり返して少しだけ焼きます。
最後に豚肉が乗った方を上にしてお皿に移したら・・・
ソース、マヨネーズ、鰹節、青のりで仕上げて・・・ 完成ーーー!
甘いのが好きな人は、ケチャップを少し使ってみてください。
では、いっただきま~す。
あーーー セレネ、一人だけ先に食べるなんて、ずるいわよーー!
ワハハハ 自分の分は自分で焼けーーー!
このあと、美味しすぎて食べ過ぎたアリシアのお腹は、怒ったときのフグみたいにパンパンになったのであった。 チャンチャン!
あ゛ーー お好み焼き食いてぇーーー と作者が言っているので、次回へ続く・・・
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