第332話 ◆燃えよドラゴン! アチョーー!
◆燃えよドラゴン! アチョーー!
ちょっと待って。 コリン君、アリシアの考え方って悪くないわよ。
セレネさん、それはどういう事ですか?
つまり、顔が知られてる人以外でお母さんドラゴンを助けるのよ。
顔が知られていない人ですか? まあ確かにそれならば・・・
まずは、ロロ君でしょ。 あとはアンディね。 それとメイアは、誰か知らない人に化けてもらうの。
その3人が救出作戦メンバーで、残りは上空から援護射撃って作戦よ。 どうかしら?
いいですね。 それで行きましょう!
ず、ずるい! その作戦って、あたしが考えたんじゃないの!
やだ、アリシアの作戦は、「名乗らないけど顔バレあるかも作戦」じゃないの。
あたしのは、「顔バレしてない人特攻作戦」で、ぜんぜん違うわよ~。 プププッ
キィーーー くやしいーーー!
さぁ、それじゃあ全員配置について!
援護射撃する人はロロ君たちが突入したら、軍艦と商船の間に弾幕を張ってちょうだい!
絶対に軍艦本体を狙ってはダメよ!
よしっ! 突っ込めーーーーーっ!
あたしの合図で、ロロ君、アンディ、メイア(パン屋のおばちゃんバージョン)が商船目掛けて突っ込む。
アンディとメイアが甲板にいるごっつい船員たちを次々に倒して行く。
いきなり現れたパン屋のおばちゃんにパンチやキックを浴びせられ、屈強な大男たちがじりじりと後退する。
二人が暴れている隙にすかさずロロ君が船倉へ突入した。
・・・
並走していた軍艦が商船の甲板での異変に気付き、船体を商船に寄せ始めた。
みんな、早く弾幕を張って!
よっしゃあ、あたしにまかせなさい! そりゃ、そりゃ、そりゃーーー!
アリシアは両手を使って、炎の塊を海面に打ち込む。 たまに、あたしの方をチラッと見る目が怖い。
シルフもブラックもアリシアに負けじと半端なく強力なビームをぶち込む。
コリン君は、得意の氷結魔法ででっかい氷の塊をつくり、それを上空から落として行く。
なるほど、雲の水分にはこういう使い道もあるのか。 あたしはまた一つ実践で学んだ。
・・・
ロロは、船倉の壁を破りながら奥へと突き進んだ。
何回壁を壊しただろうか。 もう、頭も体も痛みすら感じないくらいジンジンしている。
そして一番奥の分厚い壁を渾身の体当たりでぶち破ると、そこには黒く冷たく光る鎖で、体を何重にも縛られたロロの母親の姿があった。
ロロが駆け寄っても眼も開かず無反応だ。 これはかなり衰弱している。
もしかしたら、このまま衰弱死させようとしているのかも知れない。
ロロは怒りで我を忘れ、天井に向かって大火炎を吐いた。
灼熱の炎は一気に甲板まで噴き上げ、あっと言う間に船を紅蓮の炎で包み込んだ。
うわっ、ロロ君ってば激しい・・・
甲板に開いた大きな穴から、まるでゴジラが現れたのかと見間違えるほど、強烈な殺気を放ったロロ君が這い出て来た。
セレネさん、冗談いってる場合じゃありませんよ。 なんだか様子がおかしい!
あれは本気モード! 目が真っ赤。 ちょうど戻って来たメイアがボソッと言う。
えっ? なにそれ怖い。 メイアは、ドラゴンがあの目になるともう誰にも止められないという。
自然に怒りが治まるまでは、近づいてはいけないそうだ。 もう、敵味方すら分からなくなっていて破壊の限りを尽くす。
ここが海の上でほんとうに良かったとメイアが言う。
ねぇ、お母さんドラゴンは?
まだ、船の中なんじゃないですか。
いやいや、もうすぐ沈没するよ。
ロロ君はもう期待できないから、あたしたちで何とか助けるよ!
メイア、一緒においで!
わかった~
コリン君とアリシアは、軍艦の方を何とかして!
軍艦は既に商船の甲板で炎を吐き続けるロロ君を目掛け、艦砲射撃を開始していた。
・・・
あたしとメイア(まだおばちゃんの恰好)は、燃え盛る商船の横っ腹をブチ破って船内へ突入した。
うわっ あっつ!
ガラ ガラ ガラッ
いきなり天井が崩壊して瓦礫が落ちて来る。
アチョーーー! 船内は正に灼熱地獄と化している。
メイア、早くお母さんを探して!
こっち!
メイアは壁に開いた穴に飛び込んで行く。
あたしもセレネフェニックスを使って全身から炎を出して後に続いた。
なんだか、猛烈に熱くなってきたので次回へ続くのだ。 アチョーー!
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