第311話 ◆新規事業はたいへんです!
◆新規事業はたいへんです!
翼竜の空の飛び方は基本、滑空である。 よって飛行船を引っ張って飛ぶのには不向きであることが判明した。
では、飛行船のエンジンになりうる生き物が他にいるのか・・・
あたしには思い当たる生き物がひとつだけどいる。 それは、もにゅぱ~ だ。
正式な名前は知らないけど、この鳴き声が変な鳥は、ばかでかい。
こいつなら、飛行船を引っ張ることが出来そうだ。
だけど、今の所どこに生息しているのか、繁殖地がどこにあるのかは不明である。
あと心配なのは、もにゅぱ~ が人に懐くかだ。 人の言うことを聞かなければ、飛行船がどこに飛んで行くか分からない。
あっ、もうひとつ・・ 鳴き声が変だった。
メガフロートの運用にも幾つかの問題が見つかった。
一つは暴風対策。 もう一つは海獣対策である。 あとは海流に流されないように位置を固定する方法などだ。
メガフロートクラスの大きさになると海が荒れた時、巨大な波と波の間に乗ってしまうと真ん中からポキッと折れてしまう可能性がある。
向こうの世界でも大型タンカーやコンテナ船などが被害に遭うケースがあった。 これを魔の三角波というらしい。
あたらしい事業を始めようとするときには、いろいろな事が起きるのだ。
事業に着手する前にこれらを潰しておかないと後で大損失を招きかねない。
アンディとあたしは、毎日いろいろな事を想定したり、その対策を検討したりした。
その資料の数は、日に日に増えて幾つかの書類の山が出来たほどだ。
あとは拠点が多くなるので、それなりの幹部候補者や管理者が必要になる。
どこで優秀な人材を集めて、どういう教育をするかも大きな課題だ。
そして、うんうん悩んでいたら、あたしに突然神が降りて来た。 ←天界の神様ではありません
そうだ! 人魚族に協力してもらえばいいんじゃないかな。
どうせ開業するには、人魚族の承諾が必要になりそうだし、利益分配の交渉次第で彼らが大きな力になる。
こういう時に常日頃の人脈が役に立つというものだ。 えへん!
人魚族ならこの広い海のことに精通しているはずだし、数も多いので人材も豊富だろう。
こうして、この世界で初の航空会社の開業準備は、ゆっくりとだが進んで行ったのだった。
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