第296話 ◆サリエル、エッチをせがむ
◆サリエル、エッチをせがむ
結局、アンジェリク女王様の国には、水と食料の補充で3日間滞在した。
ほんとうはもう少し陸地に居たかったのだけれど、アリシアの事が心配なので少しでも早くララノアのところに行かねばならない。
あたしがこんなに心配しているのに、当のアリシアは本当の自分がどういう人格だったのかすっかり忘れている。
本人が元に戻った時、どんなリアクションをとるのか楽しみではある。
あたしはそのためだけに、アリシアには内緒でスマホで動画を沢山撮っておいた。
ウッシッシ♪
・・・
また長い航海が始まってしまったので、魔法の修得にでも励もうかと考えているとサリエルがやって来て、なにやら相談があるという。
なんだか深刻そうな顔をしているので、誰も使っていない船長室で話を聞くことにした。
で、相談って?
はい、実は、そのぉ・・ あたし・・・
何だか顔を赤くしてモジモジし始める。
どんな相談でも乗るよ。 女の子同士だし、あたし以外誰も聞いてないから安心して。
はい。 実は、そろそろ子どもが欲しいなって思って。 きゃっ、言っちゃった。 あたし言っちゃいました♪
はいーーーっ?
だって、お嫁さんになったら次のイベントは出産じゃないですか。
出産イベントってエロゲかいっ!
あのねぇ、サリエルさん。 女の子同士だと普通子どもって・・・ あれっ? できないんじゃなかったっけ・・・
女の子同士でも大丈夫ですよ。 だって、あたし天使ですから。
セレネさまがベッドでちょっとだけ目を瞑っててくれれば、直ぐに授かっちゃいますよ。
なんですと?
で・・だめでしょうか?
う~ん。 急に言われましても心の準備がねぇ・・・
シルフさんとの間にはお子様がいらっしゃると聞きました。 あたしとの間にもぜひ子どもをお願いしたいのですが。
サリエルがあたしの目をじっと見つめながら、じりっじりっと近づいて来る。
わ、わかったわ。 前向きに考えてみるから少し時間をくれるかな。 ←前向きに検討の意味は・・・
はいっ♪
う~ん これは予想外の相談事だったなぁ・・・
でもあたしの人生、これでいいのかな? 本当はイケメンと大恋愛の末に結婚して、男女双子の赤ちゃん生んでとか考えてたのにな~。
・・・
で、次の日の夜。 サリエルが、まくらを持ってあたしのベッドの周りをウロチョロし始めたので、検討中と書いたマスクをして早々に眠りについたのだった。
次回、妊娠しちゃった? に続く・・・
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