第293話 ◆みんなで結婚式 その2
◆みんなで結婚式 その2
ケーキ作りは、アリシアとメイアにお願いした。
式の会場作りは、ヴォルルさんが担当を買って出てくれたのでお願いする。
あたしはというと、朝早く起きてご馳走をたくさん作った。
だから船内中に良い匂いが漂って、みんなも早起きしてしまった。
会場はヴォルルさんが魔法で、きらっきらの飾り付けをしてくれたので、あとは大き目のテーブルを運んで一番かわいいテーブルクロスをかけた。
ご馳走は式が済んでから運べばいい。 メイアを疑うわけでは無いけど、その方がなんとなく安心だ。
一通りの準備が済んだので、サリエルとシルフ×2を会場の隣の部屋に呼ぶ。
この部屋には、内緒で作ったウエディングドレスが並べてあるのだ。
コン コン
セレネ、入りますよ~。
は~い。
あとは何をお手伝いすれ・・ば・・・
そう言って部屋に入って来たサリエルの目が、飾ってあるウエディングドレスに釘付けになる。
どお、サリエル。 これ、サリエルのウエディングドレスだよ。
あ・・ きれい・・ これ、セレネが作ってくれたのですか?
うん。 細かいところは、手抜きだけどね。 あたし家庭科の点は良くなかったんだ。 もう少し頑張っとけばよかったよ。
ほら、こっちに来て。 もう、着替えておいてもいいでしょ。
う・・ ぐすっ ひっく
どうしたサリエル。 泣いたらドレスに染みができちゃうよ。
だって嬉しくて・・・
うん、ちょうどいい。 ピッタリだ。
サリエルにドレスを着せ終わったところに、シルフたちもやって来たので、二人にもドレスを着せてあげた。
ブラックシルフもすごく嬉しそうだ。
3人にドレスを着せ先に会場に行ってもらった後に、アリシアとメイアにも作ったドレスを着せてあげた。
この二人もお人形のように可愛い。 なんだかみんな纏めて嫁にしてしまいたくなる。
こうして女だけの結婚式が始まったのだけれども。
あ、あれ? あたしはいったい何を着ればいいんだ?
そう、あたしは普段着しか持ってなかったのだ。 まあ、新郎役なんて何を着てても、どうせ式の端役だから問題ないのだけれど。
結婚式では、嫁三人からKISS責めにあって、あたしは嬉しい悲鳴をあげた。
サリエルは泣き虫なのか、ずっとうれし泣きが止まらない。
式もドレスも本当に嬉しかったらしい。
内緒にするため製作は夜中で大変だったけど、ドレスを作ってあげてよかったと心から思った。
式の後は、作っておいたご馳走をみんなで楽しく食べたのだけど、案の定ヴォルルさんがワインを飲み過ぎて暴走した。
自分も魔法でウエディングドレス姿になって、ついでに自分も嫁にもらえとあたしに絡んできたのだ。
はいはい、わかったからおとなしく美味しいものでも食べて座っていてくださいね。
↑
ココ!
これが後にセレネが結婚を承諾したとヴォルルさんが言い張ってきかない言質である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます