第292話 ◆みんなで結婚式 その1
◆みんなで結婚式 その1
サリエルは天使と呼ばれるだけのことはあって、その存在感は半端なく見ているだけで心が浄化される。
そんなサリエルが、あたしの嫁になった。
まだ新婚3か月ちょっとなので、サリエルはあたしにべったりのイチャラブ状態だ。
そして、第一婦人のシルフさんは嫉妬深かった。
シルフとあたしの間にはニーナという娘もいるし、最近では自分の分身であるブラックシルフが戻って来たので、それほど険悪な状態
ではないのだけれど、たまにサリエルを見る目が怖い時がある。
嫁同士のバトルという修羅場は決して見たくないし、どちらかの味方でもしようものなら、こちらの命が危なくなるかも知れない。
なのであたしは、サリエルとシルフに平等に接するよう心掛けることにしている。
そして事件は起きた。
長い航海の間、何事もなくゆるゆると過ごしたかったのだけど・・・
元々ひとつだったので当たり前だけど、最近シルフとブラックシルフの見分けがつかないことがある。
ブラックシルフが仲間になったころは、その性格とか態度というか雰囲気がどことなく漂ってきて間違えることは無かった。
しかし二人がコミュニケーションを重ねるうちに、どちらからともなく性格も似てきてしまった。
で、ある日ブラックシルフが、あたしのところにやって来て、自分も嫁にして欲しいと言ったのである。
聞けばシルフはそのことを承諾しているという。 まあ、ブラックシルフも本人のようなものなので抵抗はないのかもしれない。
拒否するのも可哀そうだし、嫁がもう一人増えようが生活に困るわけでもないのでOKするとよほど嬉しかったのだろう、その日はそこら中を飛び回っていた。
ブラックシルフが第三夫人になるのは、サリエルも問題ないというので、この際あたしと嫁3人で結婚式を挙げることにした。
あたしもウエディングドレスを着てみたかったのだけれど、全員花嫁姿もおかしいので我慢することにした。
それで長い航海の間に、ウエディングドレスを作ってみることにした。
レースみたいな布は手に入らなかったけど、何にでも使える白い光沢のある布は少しだけ倉庫にあったのでそれを使う。
ドレスを作るのは、みんなにはまだ内緒だ。
採寸が必要なのはサリエルだけなので、疲れてぐっすり寝むっているところをメジャーで測ることにした。
ほぉ・・ お嬢ちゃん意外といい体をしてるじゃないか。 うひひ、どれどれ、お姉さんに見せてみなさい。
ほれほれ・・・ サリエルがスーピカ寝ているのでつまらないから一人芝居をしながら測る。
まぁ、プリップリのポヨッポヨじゃない。 嫁の体は、あたしのものでもあるよね。
ちょっとだけ、つんつんしてみる。
う・・ううん。
ヤバッ
サリエルが目を覚ましそうになって、慌ててメジャーをベッドの反対側にぶん投げる。
はぁ・・あせった~
ってか、華奢な体の割りには出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでるなぁ・・
思わず自分のぜい肉をつまんで溜息を吐いた。 またダイエットしようかな。
サリエルのスタイルがめちゃ良くて布が結構あまったため、アリシアとメイアのドレスも作ってあげることにした。
こうして、サプライズドレスも出来上がり、結婚式の日に向けての準備が始まった。
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