第285話 ◆セレネ酔って失敗する

◆セレネ酔って失敗する



ヴォルルさんが、サリエルさんにワインをしこたま飲ませてしまった。


サリエルさんは天使なので、めちゃめちゃカワイイ。  そのサリエルさんが、目の前で泥酔している。


目が据わった天使などは滅多にお目にかかれない。



あたし・・ もうちょっとで・・・ ヒック・・・ お嫁に・・ 行けるところだったんですよ・・


なのに・・ あの神様のせいで・・  台無しじゃないれすかぁ・・


まあ、そんなこともあるわよ。  ほらっ、サリエルもっと飲め!


せっかく幸せになれると思ったのに・・ ヒック・・・  何がわるかったんれすかねぇ・・  ヒック



あのぉ・・  二人とももう飲まない方がいいんじゃないですか。


らりお言ってるんれすか?  これが飲まずにいられますか?


そうだ!  いいぞサリエル!  もともとこの女がサリエルにKISSなんぞするのが悪い!


うわっ、酔っ払いって最悪なタイミングで最悪なこと言うな!


じぃーーっ


そうれすよ!  みんなセレネさんがわるいんすよ。  せきにんとってくらさいよ~  グスッ


わはは  もっと飲めーーー!


セレネも飲めーーー!


まあ、ヴォルルさんを連れて来た時点でこうなるのも見えていたんだけど・・・  


ほれほれ、飲めーーー!


仕方がありませんね。  一杯だけですからね。


よしよし。 サリエル、セレネに注いでやれ!


はいれす。 それじゃ、婚姻の証しとして乾杯ーーー!


あ~ ヴォルルさん。 このワイン・・・ ほんとうにこれってワインれすか?


ホホホ  アルコール度数80度の特製ワインよ~


ヒャック それはヤバイやつっすよね。  ゲラゲラ  あれっ? 可笑しくないのに笑っちゃうよ~


まぁ、まぁ  ほらっセレネ、もう一杯いこう。


・・・


で、どう責任とってくれるんれすか?


う~ん ごちゃごちゃうっさい。  そんなに言うなら、嫁にくればいいじゃないの?


あっしに付いてくるなら、嫁にもらってあげるわよ。 


ほんとうれすか?  うそじゃないですよね?


うひひ・・  セレネはうそはつきませ~ん。


ギチギチギチ


はぅ・・  今までで一番締め付けられるぅーーー!


・・・

・・



この後のことはいっさい記憶にありません。  目が覚めたら、夕方で頭が割れそうに痛かったデス。


それで・・ サリエルが抱きついて離れなくなりました。


結局、次の日にあたしのところに荷物を持って嫁いで来ました。


それで扶養家族がまた一人増えてしまいました。  



セレネが正気に戻ったところで、次回へ続く・・・

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