第286話 ◆再々出発

◆再々出発


もうお酒を飲むのはやめよう!  もともとお酒は強くないのに度数の高いものを飲んだ自分が悪い。


世の中には酔っ払って気が付いたら嫁が居たみたいな人があたしの他にもいるかもしれないけれど、気が付いたら天使が嫁になっていたのは、あたしだけだろう。


サリエルがあまりにも嬉しそうなので、あれは酔ったせいで本気じゃなかったとは、とても言えない。



嫁に来てもらうのだから、せめて金の鎖を外して欲しいとお願いしたのだけれど、それはどうも無理っぽいらしい。


できないものは無理強いしても気の毒なので、あっさりと諦めた。



で、自分のことは何とか解決できたので本来の目的だった、まりあ先輩に会った後、アリシアをララノアのところに連れて行くことにした。


ほおっておけば、そのうち突然治るかもしれないと期待していたところもあったのだけれど、モモちゃんの放った強烈な平手はそれを許さなかったようだ。


元はと言えばアリシアのおバカな発言の所為だが、モモちゃんも少しは手加減をして欲しかった。


アリシアが良い子すぎて気持ちが悪いので、船旅に必要となるものが揃ったら即出航するつもりだ。



調達する主な物は、食料と水だ。 水はアイススライムがいるので凍らせておくので、昔の航海のように腐る心配がない。


食料も大半は冷凍してしまう。  肉も野菜もいつでも新鮮な状態で食べられる。  魚は船なので退屈凌ぎも兼ねて釣りで調達する。


釣れたての魚を刺身でいただく。  ただし気をつけないとメイアに先を越されて、刺身にする前に無くなってしまう。



出航準備の方はサリエルも手伝ってくれているので結構捗っている。


サリエルは天界と真ん中の島以外はどこにも行ったことがないらしく、船に乗って遠くの国へ行けるのがよほど嬉しいらしく鼻歌を歌いながら色々な仕事をテキパキとこなす。


これは、もしかしたらいい嫁を貰ったかも知れない。



一言でエルフの里に行くと言っているが、あたしがこっちの世界に来てから旅をした順路を思い出してみれば、かなり出発点に近いところまで行くことになる。


船のエンジンは、途中モモちゃんのところで鯱シャチの兄弟を借りたので、フィアスと同じか少し速い。


これなら寄港を水と食料の補充のみにすれば、6か月ぐらいで着くだろうか。


そして出航準備も整い、いよいよ明日は出発となった。



今回の旅のメンバーはサリエルと退屈していたヴォルルさん1/10が加わったため、シルフ×2、メイア、アリシア、あたしの7人である。


船のマストには途中ゲットした人魚族の旗、しかも永久会員用がたなびいている。


これは例えが良くないかもしれないけど、クレカならばゴールドいやブッラクカードを見せびらかしているようなもので、絶大な信用力を誇る。


それに航海中は世界中にいる人魚族が守ってくれるので、海賊や悪者に遭遇しても手出しをされるようなことも少ないだろう。



そして旅立ちの日の朝早くに目覚めたあたしは、今までに見たこともない景色に遭遇することになるのであった。



★おまけ


来たとおりの逆ルートだとこんな感じです。  葵さんにもまた会いたいな♪


真ん中の島

ランランランド

魔王の城 アンジェリク王女

七か国目(一番貧しい国)

図書館 猫耳司書キャロンさんが仲間になる

どこかの港町  九州弁を使う葵さんと会う

ピザ屋  コリン君が仲間になる

六か国目(造船業の盛んな国) 薬の販売競争をする

海賊の宝がある島 人魚と遭遇

ドラゴンの里  メイア一時行方不明

五か国目(二番目に豊かな国)  医薬品を大量に仕入れる

四か国目(中立の国) エイミーとリアム結婚

水晶の谷  鍵爪恐竜に襲われる

メイド喫茶(バイト先) アリシアが仲間になる

屋台村

三か国目(まりあ先輩の国の同盟国)

二か国目(まりあ先輩の戦争相手国)

一か国目(まりあ先輩の国)

二つ目の大陸

南の港町    巨大嵐で海に落ち触手人間に助けられる

要塞廃墟ダンジョン

鉱山の町    ララノアとタケトが臨時でパーティーに参加

エルフの里

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