第242話 ◆禁断の洞窟
◆禁断の洞窟
アリシアから伝書鳩を使って、邪悪な気配が漂う洞窟を発見したという手紙が届いた。
二人で中に入るのは危険だから、あたし達が行くまでおとなしく待っているように返信したけど、何か仕出かさないかとっても心配だ。
あたしは、アリシアたちが見つけた洞窟がとても気になった。
なぜかと言えば以前に、巨大蟻のせいで開拓を断念しかけたことがあるからだ。
また何か良くない者にここでの開拓を邪魔されたくない。
既に、この土地を一緒に開拓してくれる人達を募るため、ヴォルルさんとニーナの二人が世界を巡っている。
その人々が安心して開拓できるように、不安要素を早くなくしておきたい。
あたしはコリン君に相談して、メイアを乗って急ぎアリシアとシルフのいる場所へ向うことにした。
うんもぉ いったい何なのよ この地図!
アリシアのやつって、こんな幼稚園児が描いたような絵で、わかるかって!
紙には、川と山と森と池と洞窟の絵が描いてあって、洞窟の横に矢印と「ココに居る」という文字が書いてあるだけだ。
こんなので洞窟に着けるわけがないじゃ・・・ あら? あれかしら?
すみません すみません 着いちゃいました。
セレネーーー こっち、こっちよ!
アリシアが千切れんばかりに手を振っている。
メイアが底を目掛けて急降下して行く。 相変わらずこのスピード感についていけない。
洞窟の傍に降り立つと、アリシアが頭にシルフを乗せたまま駆け寄って来た。
あっ、アリシア結構痩せたんじゃない?
ふふん セレネ見てごらんなさい! アリシアさまの復活を!
何を偉そうに言ってるのよ。 元に戻っただけじゃないの。
なっ! あたしがどんだけ辛い思いをしたと思うのよ。
あのコリン君が作ってくれるスイーツを全て諦めたのよ。
はい はい。 わかったわよ。 はい、これ。 コリン君からの差し入れよ。
やったーーー♪
それを食べて太りなさ~い。
ぐっ・・
どうしたの? ほらっ 何だったらあたしの分も食べてもいいのよ。
うわ~ん セレネなんて嫌いよ! 大っ嫌い!
あ゛ーーー 悪かったわよ。 それはコリン君に言ってカロリー控えめで作ってもらったから大丈夫よ。 ←うそ
ほんとうに?
イエス!
ぱぁーーー
アリシアの嬉しそうに顔に少々罪悪感が・・・
ところで、あの洞窟なんだけど、邪悪な気配がするって書いてあったけど、あたしには感じられないんだけど?
えーーーっと それは・・・
ははぁ~ん アリシアさん、まさか嘘はついていないでしょうね?
う、うそじゃないわよ! シルフが言ったのよ、 何だか妙な感じがするって!
妙な感じ・・・ シルフどういう事?
それは、なんだか懐かしい感じ。
懐かしい?
そう、うまく表現できない。
懐かしい・・か。 例えば、故郷に帰って来たみたいとかかな?
そう、そんな感じ。
ふ~ん でも、ここは初めて来た場所でしょ?
はじめて。 それは間違いない。
そうか。 邪悪な気配で無いのなら、このメンバーでも調査可能だわね。
今日は、もうすぐ陽も落ちるし、あたし達も疲れているから調査は明日にしましょう。
あたしもメイアも長い間空を飛んで来たので凄く疲れていて、夕食を簡単に済ませると即効で眠りについたのだった。
次回に続く・・・
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