第234話 ◆マイホーム完成♪
◆マイホーム完成♪
幸いなことに、あたし達が見つけた土地は、誰も開拓申請をしていなかった。
そこで上陸した地点から内陸に向かって他の開拓者達の土地とぶつかるまでの凡そ半径5000kmを開拓申請することにした。
開拓申請の手続きはモッフルダフがしておいてくれると言うので、申し訳ないけど一任した。
あたしは難しい手続きとか苦手なんだけど、大人になるためにはこういう事もちゃんと出来ないといけないのは分かっている。
でも、やっぱり今のあたしには、肉体労働の方が向いている。
それで、まず最初に取り掛かったのは、みんなが寝泊りできる小屋作りだ。
必要な材木は、少し離れているけど山から伐り出して運んだ。
超肉体労働は、例によってメイアさんがやってくれる。
シルフが魔力を使って木をなぎ倒し、それをメイアが運ぶのだ。
家の設計はコリン君の担当だ。
と言っても、リビングを兼ねた広いダイニングキッチンと大勢いで寝ることが出来るベッドルームの二間だけだけど。
まあ最初はこんなものだろう。 必要なら増築していけばよいのだから。
ニーナも含め皆で、ログハウスのように木材を組んで行く。
肉体労働の合間にとる食事の美味しいこと。 まさに生きていると実感する。
それはそれは元居た世界の学生生活なんかよりも遥かに充実している。
そして小屋は、僅か2日間で完成した。
かまどとかは、まだ無いので外でキャンプの要領で炊飯を行う。
お肉は獲物がたくさんいるので困らないけど、穀物とか野菜は育てて収穫するまでに時間がかかる。
季節が冬ではないので、当面は自然に生えているものを探していけば良い。
コリン君が余った木材でテーブルと椅子を作ってくれた。
窓もガラスが無いので、木で作った押し上げ窓にして万が一の魔物対策もバッチリできている。
こういう時、やっぱり男の子がいると頼もしいなと思う。
寝具や生活雑貨は、船で自分たちが使っていた物を持って来た。
そのほか足りないものは、モッフルダフの商売用の商品の中から売ってもらった。
あとは、開拓しながら自給自足で揃えていけば良い。
モッフルダフは商いがあるので、あまり長く引き留めておくわけにはいかない。
住む家も完成したので、明日はいよいよお別れだ。
次に会うのは、何年も先のことになるだろう。
夕方、モッフルダフ達が完成した小屋を見に来てくれた。
そして新築祝いに、塩樽を3つももらってしまった。
塩は人や動物が生きて行くために必要な貴重なものなのだ。
この土地に移住する人が増えれば、交易するために商船もやってくるだろうけど、あたし達だけのために、こんな小さな入江に商船など来てはくれない。
場合によっては塩田も造らなくてはならないだろう。
そして次の日、あたしはモッフルダフとの分かれが寂しくて、少し泣いてしまった。
結局、コリン君はあたし達と一緒に残って、開拓を手伝ってくれることになった。
アリシアも土壇場で、残ると言い出した。
なので、この地に残るのは、あたしとシルフ、ニーナ、メイア、コリン君、アリシアの6人になった。
入江からボートに乗って本船に戻るモッフルダフとキャロンさん、おっさん3人組みが手を振っている。
徐々にその姿が小さくなって行く。
あたしは、それを見て胸が締め付けられるように、ギュッとなった。
いろいろな思いが頭の中をめぐる。
モッフルダフが次に来るときまでに沢山開拓して、驚かせてやろうと思う。
ここに残ったメンバーならば、それも夢ではないはずだ。
そうすれば、夢と希望を抱いた人々が、あたし達が築いたこの地を目指してやってくるだろう。
さぁ、元気を出してみんなと一緒にさっそく開拓開始だ!
★お知らせ
ストックが無くなってしまいましたので続きは、ぼちぼち書いて行こうと思っております。
今のところ何となく書こうと思っているのは、以下の見出しのとおりです(笑)
◆禁断の洞窟
◆黒い森
◆エイミー達も呼ぼうかな
◆アリシア大人になる
◆ヴォルルさんの天敵
◆勇者現る
◆まさかの先住民
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