第229話 ◆アリシアのスク水
◆アリシアのスク水
すみませ~ん、このアイスを3つくださ・・・い・
ぎゃーーーー!
あたしは、目の前の店員さんを見て、恐怖に慄おののいた。
お店に居たのは、あたしより大きな昆虫人間だったのだ。 しかも限りなくGに似ている。
長い触覚が両側に垂れて、体の色艶も正にGそのものだ。
二本の足で立ち、残り4本の足?で、アイスを4つ持っている。
これでは、とてもアイスを買うどころではない。 怖すぎて気が遠くなった。
あたしは、メイアお姉さんの手を引いて急いでアリシアのところへ引き返した。
セレネ、遅い! もう喉も乾いたし最悪よ。
アリシア、ごめん。 アイス買えなかった。
な、なんですって?
店員さんがGだったんだ。 あたしは虫の中でGが一番嫌いなんだよ!
しかも、あたしより大きいかったし・・・
し、仕方がないわね。 でも、Gが売ってるアイスなんて、あたしだって嫌よ!
よかった・・・ てっきりアリシアに怒られると思ってたよ。
なっ! あたしだって鬼じゃないんだから、それなりの理由があれば怒らないわ。
それは、ありがとうございます、ご主人様。
ぎゅぅぅぅ メイアお姉さんのお腹が大きな音で鳴る。
セレネーー お腹空いたーーー
メイアがグラマーお姉さんの姿のまま、あたしに抱き着いて来た。
ちょっ、メイアさん。 もう、お願いだからいつもの姿に戻ってよ。
ボンッ やった、元に戻った。 メイアは幼女姿が一番カワイイ♪
お腹空いたーーー
はい、じゃあ、皆の所に戻ろうか。 あっ、ご主人様もご一緒に。
じぃーーーっ じぃーーーっ
抱っこしているメイアとあたしの顔をアリシアが代わりばんこに見つめてくる。
わかったわよ、来なさい。 ご主人様。
す、すぐに察しなさい。 セレネは今日1日あたしの奴隷なんだから。
はい、はい。
メイアを肩車してアリシア抱っこした、まるでマッチョなお父さんみたいな恰好でプールサイドを歩く。
実際は二人とも体重は軽いので、あまり力は必要ないんだけど、すれ違う人からジロジロ見られると乙女としては恥ずかしい。
なお、メイアはドラゴンなので体重は重そうに見えるが、ドラゴンの魔力なのか感覚的には猫くらいの重さにしか感じない。
やれやれ、随分遠くまで来てたんだな。
やっとみんなが居るところまで戻って来れば、ヴォルルさんとキャロンさんがサンオイルを塗ってビーチベッドで日焼けの真っ最中だった。
キャロンさんは、ねこ科なので水に濡れるの大嫌いだ。
だから当然プールには、絶対に入らない。
あれっ? シルフとニーナが居ない。 それにコリン君も。
ああ、ニーナちゃんは、シルフさんと飲み物を買いに行ったわよ。
コリン君も一緒ですか?
コリン君は、どこに行ったか知らないけど、若い男の子たちにナンパされてたみたいよ。 若いっていいわね♪
げっ、それってもしかしたら・・・
どうしたのセレネちゃん?
いえ、なんでもありません。 ヴォルルさんってコリン君のこと、男だって知ってるのかな?
セレネ、あたしも日焼けするから、オイル塗って! アリシアがサマーベッドをキャロンさんの隣に運んで寝そべった。
はい、ご主人様・・・
ってか、アリシアさん、スク水じゃオイル濡れないじゃん。 塗って欲しけりゃ脱げ!
誰だよ、アリシアにスク水着せたの? しかも名前入りじゃんか。
あたしは、今更だけどアリシアの着ている水着に違和感を感じた。
やっぱり、アリシアの水着もヴォルルさんチョイスだよね・・・
この後、抵抗するアリシアの水着を脱がせ、揚げ物ができるくらいサンオイルまみれにしてやった。
ワハハ 奴隷はご主人様より強しだぞ!
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