第228話 ◆一日奴隷制度

◆一日奴隷制度


ウォーターシュートの勝負は気絶したので、あたしの負けだとアリシアが言い張る。


でも、あたしがウォーターシュートの上から見たときは、アリシアも気絶してプールに浮いていたじゃん!


あたしがそう言ったら、アリシアはセレネの事をビビらせてやろうと気絶したふりをしただけだと主張して引かない。


7歳相手に言い合いをするのも大人げないので、今回はアリシアに勝ちを譲ってやることにした。



ふふんっ  それじゃあ今日一日、セレネはあたしの奴隷だからね。


あー はいはい。


セレネ、その態度はなに!  今日は一日あたしが、ご主人様でしょ!


はい。  失礼しました、ご主人様。   (うわー うぜえーー)←心の声デス


まずは、そうね・・・  あたし、アイスが食べたいわ。  買ってきなさい。


はい。 かしこまりました。


・・・


ちぇー  アリシアのやつ、調子に乗ってるなー。 あんまりこき使われるのも嫌だから、時間をかけて動くかー。


アイス  アイスっと。  あれっ?  アイスってどこで売ってるんだろ。



セレネーー


アイスを探しながら歩いていると、遠くからあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。


うん?  ああ、メイアかー  お姉さんの恰好だから分からなかったよー。


ララノアと競り合うために変化したお姉さんの姿なので、注目度は抜群だ。   


あたしの周りが美人ばっかりだから、あたしがモテないんだよなー。


メイアは、何してたの?  みんなは?


セレネー 眠いから抱っこーーー。


ぶはっ  メイア、その恰好であたしが抱っこしたらヤバイって。


むぅーーー


ぷぷっ  メイア、だからその恰好でほっぺを膨らませたってかわいく・・・ えっ、結構かわいくね?


そ、そうだ。 いまアイスを買いに行くところなんだ。  一緒に買いに行く?


うん、行く~


あたしは、メイアお姉さんと手をつないで、アイス売り場を探し歩いた。


あっ、あった。  あそこだ!


アイスの絵が描いてあるお店を見つけて、お店の傍まで行くと結構人が並んでいる。


やはり、この暑さだとアイスとか、かき氷が食べたいのは、どこの国でも同じだなー。


ねえ、メイアは、あの中で何が食べたい?


お店の立て看板に、いろいろなアイスの絵が描いてあるのをゆび指しながら聞いていく。


あれがいい~


OK、OK。  アリシアのも同じのにしようっと。


すみませ~ん、これを3つくださ・・・い・


ぎゃーーーー!  

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