第210話 ◆飛んで火に入るムチムチセレネ
◆飛んで火に入るムチムチセレネ
メイア~ 港町まで様子を見に行くよ~♪
あたしは、ひさびさに新しい町を見れるのが嬉しくて、モッフルダフに言われたことなど、すっかり忘れてしまった。
後にこの事で鳥頭のセレネとアリシアにさんざん虐められるのだ。
港の上空をメイアに乗って何回か旋回して様子を見るが、特に危険はなさそうなので地上に降りてみることにした。
ただ、いきなり町中に降りるのは危険なので、視界が開けた桟橋の中央付近に降りることにした。
ボンッ
桟橋に降りるといつもの効果音とともにメイアが幼女に変化する。
メイアと手をつないで、ゆっくりと建物が並び立つ方へ近づいて行く。
なんで人が居ないんだろうね、メイア。
メイアがあたしを見上げながら頷く。 ほんとうの姿なら逆に見下ろされるはずなのに、べつに不思議にも思わない。
海に面した建物はみんな5階建てで揃っていて、計画的に美しい街並みが作られているのが見て取れる。
その中で中央に、ひと際高くそびえる美しい塔があった。
この建物は、なんなんだろうね?
外観はツルツルした白いタイルが貼られて、陽の光を反射してキラキラ輝いている。
入口の扉は、大きな観音開きで高さは3mくらいもある。
取っ手を引くと以外にも重さを感じないですっと開いた。
どなたかいませんか~?
むろん人の気配は無いのだが、もし誰か居た場合不法侵入したと言われないために大きな声で確認する。
ここは百貨店みたいなものなのか、1階にはショーケースがずらりと並んでいる。
シャンデリアが幾つも付いているのだが、スイッチがONになっていないので、暗くてケースの中に何が並べられているのか分からなかった。
誰も居ないね~ 他の建物も見てみようか?
グーー ギュルギュル メイアが腹の音で返事をする。
セレネ、おなかすいたーー
えーーーっ さっきたくさん食べ来たじゃない。
だってぇ~ おなかすいたんだもん。
クン クン
なんか いい匂いがするーー
あっ ちょっと待ってよ、メイアー
ドラゴンは嗅覚も鋭い。 あたしには何も感じないのだが、食べ物の匂いでも嗅ぎつけたのだろうかメイアはダッシュで出て行ってしまった。
やれやれ、町ごとどっか引っ越しちゃったんじゃないの?
バァーーン
あたしもメイアの後を追って建物から出ようとした時、突然開いていた扉が勢いよく閉まって、部屋の中が真っ暗になってしまった。
えっ? なに? なにも見えないじゃん!
あたしは、ひさびさにパニック状態になった。
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