第197話 ◆アリシアの帰省(その11) ギリ セーフ?
◆アリシアの帰省(その11) ギリ セーフ?
あれっ? ドアが開かない?
キン コ~ン
カチャッ ザァーーー
うっかりキーカードを持たずに廊下に出てしまったニーナの背後から、エレベータドアが開く音が聞こえてきた。
あ゛ーーー もうっ!
フッ
ニーナは仕方なく、自分の部屋の中にジャンプした。
あたしってば、何やってるの! 普段おっとり系のニーナが珍しく自分自身に怒りをぶつける。
せっかく回復して来たのに、また魔力を消費してしまったからだ。
ジャンプは瞬間移動なので、他の魔法とは違って距離に関係なく1回で消費する魔力は同じなのだ。
つまり、今し方のジャンプ分で鉱山の町まで行けたという事になる。
ジャンプ一回分の魔力と引き換えに手に入れた飲み物を冷蔵庫にしまうと、ニーナも力なく布団にもぐった。
でも自分が何だか情けなくて、なかなか眠りにつけない。
そういえば、テーブルの上にある四角くて黒い物は、ママから聞いたことがあるテレビじゃないだろうか。
ママは、スマホと同じで動く絵が映ると言っていた。
ニーナは、ベッドから這い出るとテレビの前に腰を下ろして、テーブルの上にあるリモコンを手に取った。
左上にある赤いボタンが、自分を押せば絵が映ると言っているように思える。
トイレでは無いので躊躇わずに、赤いボタンを押してみる。
すると案の定、映像が映りだした。
でも音が小さくて聞こえにくい。
音を大きくするのは、きっとこのポタンね。
ニーナは、「PAY」と書いてあるボタンを押した。
や・・あっ
はぁ~
あ゛ああっ
はーーーっ
いきなり映った艶めかしい映像に、ニーナは赤面する。
やだ、なにこれ? どうして・・・
ちょっとエッチな映像にアタフタしていると。
ニーナってば! やっぱり お・と・な・は 違うわね~
えっ、 ちょっ・・ ア、アリシアこれは違うの。
違うって、ニーナってば、人の交尾なんか見てイヤらしいわ!
だから・・・ ああ・・ もう、ほんとうにイヤっ!
アリシアに弄られて、ニーナは早く自分の生まれた世界に戻りたいと思ったのであった。
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