第196話 ◆アリシアの帰省(その10) auto lock
◆アリシアの帰省(その10) auto lock
今日1日でいろいろな事があった。
このホテルで一晩眠れば魔力も回復するし、明日早くに鉱山の町へジャンプすることができるだろう。
二人は部屋で特にすることも無いため、シャワーを浴びて早めに寝ることにした。
アリシアが先にシャワーを使い、タオルで長い髪を拭いている。
魔法で風を起こせばすぐに乾いてしまうのでドライヤーは使わない。
もっともドライヤーが髪を乾かす物だとは知らないだろう。
ニーナ、あたし先に寝るね。
目をこすりながら布団に潜り込む姿は、まだ幼い女の子だ。
早く母親に会わせてあげなくてはいけないわ。
ニーナは、シルフとセレネがいつも一緒に居てくれる自分は幸せ者だと改めて思ったのだった。
さぁ、自分もシャワーを浴びて早目に休もう。
ブティックで買った服を脱いでベッドの上に置き、バスルームに入るとアリシアが使ったシャンプーの良い匂いがした。
シャワーから柔らかなお湯がたくさん溢れ出る。
向こうの世界ではあり得ない。 なんと豊かな生活レベルなのだろう。
シャンプーとボディソープの違いがよく分からなかったが、ラベルに書いてある絵から髪に使うか体に使うか判断した。
ニーナはシルフとセレネの子どもだが、シルフから羽を取って相似形で身長165cmにした感じであり、セレネにはちっとも似ていない。
小さな妖精サイズだと気にはならないが、ニーナの大きさだとその肢体は女性らしさが際立つ。
金色の髪、透き通るような白い肌、豊かな胸、きゅっとしまったウエスト、白桃のようなお尻・・・
バスマットの上に立ち、髪と体をタオルで拭いていく。
バスローブがベッドの上に置いてあったのを思い出し、バスタオルをタオル掛けにかけ、裸のままで部屋に出る。
アリシアはスヤスヤと、もう夢の中のようだ。
ニーナは、バスローブを羽織ると同時に、なんだか急に喉の渇きを覚えた。
シャワーを浴びて汗をかいたのと、先ほど食べた焼きそばの所為かもしれない。
エレベーターから下りて少しの所に自動販売機というお金を入れると飲み物が買える箱があるのを思い出した。
ニーナは、コインを数枚持って廊下に出て自販機まで、飲み物を買いに行くことにした。
自販機には、お金を入れて出てくる商品がボタンの上に展示されている。
アリシアは、朝起きてから飲むのでジュースが良いだろう。
自分はこの白いミルクのようなのがいいな。
あっ・・ あれっ? ドアが開かない?
二つのボトルを両手に持ち。ニーナはキーカードを持っていない事にいま気付いた。
ちょっと廊下の先の自販機までだったので、全裸にバスローブの恰好だった。
ドン ドン
アリシア・・ ドアを開けてくれる?
ドン ドン
ねぇ、アリシア。 お願い起きて!
キン コ~ン
カチャッ ザァーーー
その時、焦るニーナの背後で無常にもエレベータのドアが開く音が聞こえた。
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