第184話 ◆ランランランド(その2)

◆ランランランド(その2)


帽子の下の怪しいやり取りは、ランランランドの入場券と割引券だったことが、後から判明した。


ランランランドという名前だけだと子供向けの遊園地を想像するけど、大人向けのピィー(自主規制)だった。


Oh! My God!


どうりで、おっさん達の様子が、ソワソワ落ち着かなかったわけだ!



ランランランドの敷地の中には、酒場やカジノ、サウナ、キャ○クラ、$#&%(自主規制)など楽しいところがたくさんあるらしい。


5日目の朝、船に戻って来たおっさん達の顔は、それはもうツヤッツヤのペッカペカだった。



そして、おっさん達4人は、アリシアにしこたま怒られたのであった。


もぉ、信じらんない!  いい歳してイ・ヤ・ラ・シ・イ!  コリン君より変態よ!!


ちょっ アリシア。 コリン君を巻き込んではダメよ!  彼は関係ないでしょ!


あたしは一応フォローを入れる。



そ・れ・よ・り、よくもそんなツヤツヤ顔で船に帰って来たわね!  罰として2日間夕食抜きだから!


そのいい歳をした、おっさん達はシュンとして小さくなっている。


セレネ、聞いてよ。  割引券の他にもサービス券まで持ってたのよ。


いったい何のサービスなのかしら?


この際もう一度言っておく。  アリシアは7歳8か月のハーフエルフだ。



もうこの辺で、許してあげたら。 特に法律違反とかしてないんだし。


ふんっ  不潔よ!


アリシアはプンスカ怒りながら、自分の部屋に行ってしまった。



ランランランドがある港町全体が、いわゆるそういうテーマパークらしい。


船乗りたち御用達の大大レジャーランドなのだ。


あたし達、女子供の楽しい場所ではないし、港のお店で買い物をしようとしても、あるのは大人のおみやげ屋ばかりだった。


結局、あたしも含めおっさん達以外は、上陸せずに船内で1週間を過ごしたのだった。


ちなみに、お隣の港町にはルンルンランドというのもあって、アルビン達はそこにも行くつもりだったらしい。


もしも、アリシアにバレていたら命は無かっただろう。

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