第173話 ◆魔王討伐作戦(その6)
◆魔王討伐作戦(その6)
残りの2拠点も苦戦しながらなんとか殲滅させ、いよいよ魔王との最終決戦を迎えることになった。
けれどニーナは、まだあたし達の元に戻ってこない。
いまは、シルフの言葉を信じて、じっと待つしかないのだ。
魔王城は、切り立った山の中腹にあり堅固な城壁に守られている。
この難攻不落の城をたったの7人で攻め落とすことが果たしてできるのだろうか。
そのためには、まず魔王城の弱点を見つけなければならない。
メイアとシルフは空を飛べるので、城壁を越えるのはそう難しい事ではない。
7人ならば、2回に分けてメイアに乗って城内に侵入すれば良い。
ただし見張りが厳重なので、実行する場合は夜襲がよいだろう。
この城を守っている魔物の数は、偵察した限り相当な数いるのが判明している。
あたし達には、城にいる全ての魔物を倒すだけの力は無い。
だとしたら侵入後、如何に早く魔王の部屋に到達し、魔王と対決できるかが勝敗を握る。
魔王の部屋がある塔は、城の一番奥にある。
普通なら塔の最上階にあると思いがちだが、実は塔の真ん中にあるのだと言う。
この情報は、以前この城で強制労働させられていた爺様から聞いたので、ほぼ間違いないだろう。
つまり、塔の上や下から侵入された場合を想定して、どちらにも対処できる位置にあるのだ。
魔王は結構、知能レベルが高い油断できない相手だ。
どんなトラップが仕掛けられているか分からないが、あたし達は塔の上と下の二手に分かれて進むことにした。
また、塔の中は、さほど広くはないので、大型の魔獣には遭遇しないで済みそうだ。
居てもせいぜいケルベロス級だろうと予想する。
あたし達が魔王と対決するのを知って、いろいろな町から年寄りたちが応援に駆けつけてくれた。
それは嬉しいことなのだが、魔物との力の差があまりにもあり過ぎて、無駄死にになってしまう。
気持ちだけで結構ですと丁重にお断りすると長老様が、それなら突入する際に、城門の外で騒ぎを起こし魔物達の注意を引き付けてやるわいと提案して来たので、それならばぜひとお願いした。
むろん、戦わずに一目散で退却するのが条件でだ。
こうして最終決戦の準備は整った。
あとは、この世界では珍しい雲が多く出る夜になるよう祈ろう!
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