第168話 ◆魔王討伐作戦(その1)
◆魔王討伐作戦(その1)
魔王・・・ 魔物の王様・・ いったいどれほど強いのだろうか。
あたし達の力で本当に倒せる相手なのだろうか。
もしも、大切な仲間が怪我をしたり、最悪命を落とすことになったりしたら、いくら後悔しても足りないだろう。
そんな事にならないように、この国に巣食う魔王と魔物たちについて、事前に情報を集め分析することにした。
何しろこの世界のことをよく知っているモッフルダフですら、さっき戦った魔物の中に初めて見る奴がいたそうだ。
もしかしたら、ここで独自に進化したものか、もしくは意図的に生み出されているものなのかも知れない。
敵を知らずに戦う事は、あまりに無謀だ。
前のダンジョン攻略の際にも、それで痛い目にあっている。
ただし、この町の人たちが言うように、あまり時間は残されていない。
まずは、敵のおおよその勢力と分布、どのような攻撃をしてくるのかを整理した。
その結果、以前この国の軍隊が戦って敗北した時の魔王軍の数は800体ほどで、魔王の城とこの国の大きな町ごとに5つに分かれて配置されているのが分かった。
均等に分散していると考えても、あたし達8人で1回の戦闘は160体を相手に戦う事になる。
つまり、一人あたりのノルマは最低20体だ。
もしかすると、あたしとキャロンさんは、みんなの足を引っ張るかも知れないので、キャロンさんはニーナ、あたしはシルフとペアになることにした。
キャロンさんの戦い方は、まだ見たことがないけれど、必殺猫パンチと固くて鋭い爪が武器のようだ。
いわゆる格闘系の戦闘術に長けていると思われる。
桟橋での戦闘で倒した魔物は、全て獣人タイプだった。 こいつらは、魔法系は使えないので一度に多くを相手にしなければ、あたしでも何とか対応できる。
厄介な魔物としては、魔法が使えたり、ヒドラのように炎を吐いたり、ゴーレムのようなパワーがある系だ。
このタイプだとモッフルダフとかあたしやキャロンさんは歯が立たない。
今日倒した魔物の数はだいたい40体で、殲滅するのに1時間はかかっている。
160体だと4時間、疲労度も考慮するなら6~7時間はかかるだろう。 体力や魔力が尽きたらこちらが全滅してしまう。
あたしのサブマシンガンのマガジンにも限りがあるし、そもそもこの時間戦う量を持って行くのは無理だろう。
以前リアムが、敵の数が圧倒的に多い場合は、知恵を使わなければ勝てないと言っていたのを思い出した。
その時は、粘度の高い樹液で足止めした所を上から岩を落としたとか言っていた。
そうだ! あたし達もこの国の人たちに応援してもらえばいいんじゃないか?
魔物たちの拠点毎に、地形や準備できる材料などを考慮して戦術を練って後方支援をしてもらうのだ。
そこで、あたしとモッフルダフがメイア(ドラゴン姿)に乗って、それぞれの町の下見と説明交渉に向う事になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます